簡単 染み抜き クリーニング方法

食べ物、飲み物、調味料、化粧品からインクなど染み抜きやクリーニングお手入れなどの方法を、自分で!自宅で!出来る方法を分かりやすくご紹介しています!

水洗い無しでもOK!「アンモニア水」を使った染み抜き方法

「アンモニア水(水酸化アンモニウム)」とは、気体である「アンモニア」を水に溶かしたもの。アンモニアは虫刺されの薬やパーマ液等にも使用されていますが、実はこの「アンモニア水」、染み抜きにも役立ってくれるアイテムなんです。

ここではアンモニア水を使ったシミ抜き方法やメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

アンモニア水は何からできているのか?

アンモニア水は何からできているのか?

 アンモニアは、色がなく、目や鼻につーんとくるしげきの強いにおいの気体です。とても水にとけやすい気体で、水の体積の約750~1000倍もの体積のアンモニアがとけます。気体のアンモニアを水にとかした水溶液がアンモニア水です。

引用:学研教育情報資料センター資料より

 

アンモニア水が効果を発揮するシミとは?

アンモニア水に含まれるアンモニウムは、タンパク質を溶解させる作用を持っています。そのため人間のタンパク質が多量に含まれる血液のシミ、皮脂のシミ(汗ジミ)等に効果的です。またアルカリ性であるアンモニアは、ワイン紅茶等、色素の強い水溶性のシミの分解も得意とします。

アンモニア水が効果的なシミ

・血液のシミ
・襟汚れ等の皮脂のシミ
・ワイン、紅茶等の水溶性色素シミ

 

アンモニア水でのシミ抜き方法

汗ジミ・襟汚れの場合

  1. 水500mlに対し小さじ1/2のアンモニア水を溶かします。
    ※濃度アンモニア10%の場合の使用量です。濃度が異なる場合には使用量を適宜変更します。
  2. 作った溶液にタオルを浸して絞ります。
  3. 衿・ワキ等の汚れの気になる部分を軽くタオルで叩いていきます。こすらずに優しく叩くのがコツです。
  4. 最後に乾いたタオルで全体を拭き上げます。

血液・ワイン等の場合

  1. アンモニア水を少量容器に出し、同量の水で薄めます。
  2. シミの裏にタオルをあてておきます。
  3. 歯ブラシもしくは綿棒に1)で作った溶液を浸し、シミ部分を軽く叩いて汚れを溶かします。
  4. 別のタオルやガーゼでシミ部分を叩き、汚れをタオルへ移していきます。
  5. シミが目立たなくなるまで3)と4)を繰り返します。

 

アンモニア水を使う場合の注意点

 必ず変色テストを行う
やや強いアルカリ性であるアンモニア水を使用すると、素材や染色によっては色落ち・色抜け・変色が起きる可能性があります。また白色衣類の場合、黄色く色が染まる恐れがあります。事前に必ず目立たない場所で変色テストを行いましょう。

必ず換気をする
匂いが強いので、作業は屋外で行うか、室内では窓を開け、換気扇を回すようにしましょう。

ゴム手袋・メガネ等をする
肌質によってはアンモニア溶液が付着した箇所が手荒れ・肌荒れを起こす可能性があります。作業中はゴム手袋等を着用し、肌を保護しておいた方が良いでしょう。またメガネ・ゴーグル等で目を保護しておくと安心です。

 

アンモニア水のメリット

水洗いが不要
アンモニア水は揮発性が高いため、最後に水洗いで仕上げる必要がありません。制服やスーツなどの水洗いしにくい衣類の染み抜きに活躍してくれます。

価格が手頃
アンモニア水は50mlに対し200円前後と価格が比較的安価です。また希釈して使えるのでコストが安く抑えられます。現在はネットでも販売されていますが、ドラッグストアや薬局等でも手軽に購入可能です。

 

アンモニア水のデメリット

刺激臭がある
パーマ液・脱色剤のようなキツい刺激臭があります。人によっては気分が悪くなる可能性があるので、マスク等で匂いを吸い込まないように対策をした方が良いでしょう。

広い範囲のシミには不向き
シミの範囲が広いと、シミを溶かし出す前にアンモニアが揮発してしまいます。

日常的な染み抜きには不向き
染み抜き後には独特の刺激臭が衣類に残るため、匂いを飛ばすためにしばらく陰干し等をしておく必要があります。頻繁に使用をするとアンモニア臭が取れなくなってしまうので、日常的な染み抜きには向いていません。

 

おわりに

水洗い要らずで染み抜きができるのが魅力の「アンモニア水」ですが、ツンとした独特の悪臭があるのが難点です。また色素が強いシミで範囲が広い場合には、シミが取り切れずに滲んだ状態となるだけという可能性があります。

着物等の高級衣類
・アルカリ性に弱いデリケートな衣類(絹・皮革・ウール・カシミヤ等)
・シミの範囲が広い
・アンモニアの匂いを残したくない

上記のような場合には無理にアンモニア水でお手入れをするよりも、プロのクリーニング店に依頼をした方が無難です。

染み抜きに大活躍!「台所用中性洗剤」を使ったシミ抜き方法とは?


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ふだん食器洗いに使っている台所用の液体中性洗剤。実はコレ、衣類のシミ抜きに大活躍してくれるアイテムなんです。ここではキッチン用洗剤を使用したシミ抜きについて、シミ抜き方法や注意点等を詳しく解説していきます。

台所用中性洗剤が効果を発揮するシミとは?

 キッチン用洗剤は、いわゆる「食べこぼし系」のシミに効果を発揮してくれます。食器洗いに使用される中性洗剤は、食べ物に含まれる油や色素を分解するために特化した成分が多めに含まれているのが特徴です。そのため、ガンコなシミとして残りやすい油溶性のシミや色素成分の強いシミにも向いています。

中性洗剤が効果的なシミ

・ドレッシング・ソース・マヨネーズ等の調味料系のシミ
・カレー・ワイン等の色素の強いシミ
・ココア(ミルクココア)、ヨーグルト等の乳脂肪分系のシミ

 

台所用中性洗剤でのシミ抜き方法

1)衣類を広げ、シミの裏側にタオルをあてておきます。

2)歯ブラシを水で濡らしてから、シミ部分を軽く叩いて湿らせます。

3)洗剤少量を歯ブラシにつけ、シミ部分をごく軽く叩いていきます。擦ったり強く叩くとシミの広がり・生地の傷みの原因となるので、あくまでも軽く叩くことが大切です。

4)ぬるま湯もしくは冷水で軽く濯ぎ、色素残りをチェックします。色素が残っている場合には再度3)を行います。

5)シミが目立たなくなったら、手洗いもしくは洗濯機を使った通常洗濯で仕上げます。
※シミ範囲が狭い場合には、歯ブラシではなく綿棒を使用します。
※3倍濃縮タイプの場合、原液ではなく3倍程度に水で希釈した溶液を使用してください。

 

台所用洗剤を使う場合の注意点

アルカリ性洗剤の使用は避ける

台所用に使われる洗剤には、中性のものの他、弱アルカリ性/アルカリ性のものもあります。これらは洗浄力が非常に強く、よりガンコでベトベトとした油汚れ(例:換気扇汚れ、レンジフード周りの汚れなど)等にに向いた製品です。

しかし衣類にアルカリ性キッチン洗剤を使うと、生地によっては強い変色や色落ち、また衣類が薄くなる・溶けるといった変質を起こす可能性があります。必ずパッケージ裏面の液性を確認し、シミ抜きには「中性」を使用するようにしましょう。

変色・色落ちテストを行う

中性の台所洗剤でも、生地・染色の内容によっては色落ち・変色が起きる可能性はあります。シミ抜きに使用する場合には事前に衣類の目立たない場所でテストを行い、問題が無いか確認しておきましょう。

 

台所用中性洗剤のメリット

購入不要か安価に購入できる

現在お使いの食器用洗剤が中性のものであれば、わざわざ新しくシミ抜きグッズを買う必要がありません。

また新たに中性洗剤を購入される場合でも、3倍濃縮タイプの価格は160ml~180mlで100円~140円。

原液使用タイプでは800ml入り等の大容量でも300円台と安価です。ドラッグストア等で割引販売も頻繁に行われていますし、選択肢も広く手軽に購入できます。

気軽にシミ抜きが行える

漂白剤のように放置時間を置く必要もなく、またベンジン等の揮発性溶剤のように換気等の準備を入念に行う必要もありません。

「シミができた!」と思ったら、使い古しの歯ブラシさえあればすぐにシミ抜きに取り掛かれます。

特に小さなお子さんのいるご家庭等では「食べこぼしシミ」は頻繁に起こるもの。ササッと汚れ落としができる中性洗剤で、早めに対処をしておきましょう。

 

台所用中性洗剤のデメリット

水洗いは必須

中性洗剤でのシミ抜きでは、最後に必ず水かぬるま湯での「濯ぎ」の工程が必要になります。

洗剤原液や洗剤溶液が衣類に残ったままだと変色の原因となるため、シミ抜き作業後に水洗い・丸洗いができない製品には使用できません。

シミ抜き前には洗濯表示をよく確認しましょう。

時間が経過したシミの対処は難しい

シミができてから長い時間が経過してしまうと、シミ成分が繊維に強く絡みつき、中性の洗剤では分解しきれなくなってしまいます。

特にシミに気づかずに何度も洗濯と乾燥を行っている場合、成分の酸化や変質が起こっており、中性洗剤のみでシミ抜き対処を行うのはやや困難です。

デリケート素材には向いていない

シルク・アルパカ・カシミヤ等の繊細な素材の場合、独特の風合いが洗剤使用によって失われたり、縮みや生地の傷みを起こす可能性があります。

 

おわりに

 台所用中性洗剤は、日常的にできるシミをサッと落としてくれる心強い存在です。しかし水洗い不可の製品・デリケート素材の製品には向いていない等、使用範囲にはある程度の限定性があります。

「これは絶対ダメにしたくない!」というような大切な衣類のシミ、また古いシミ等については、シミのプロである専門のクリーニング店に依頼をした方が無難です。

ガンコなインクシミ対策の味方!「エタノール」の使い方

エタノール

消毒用・医療用として使用されるアルコール(お酒)である「エタノール」。実は消毒だけでなく、「染み抜抜きにも効果を発揮してくれる便利なアイテムなんです。

ここではエタノール(消毒用アルコール)を染み抜きに使う方法や注意点を詳しく解説していきます。

エタノール使用が効果的なシミとは?

エタノールは油性の塗料・染料・色素成分を溶解させるを持っています。そのため通常の洗剤での洗濯では落としにくい、以下のようなシミに効果的です。

・油性ボールペンのシミ
・油性インクペン(油性マジック)のシミ
・口紅等の化粧品のシミ

 

 エタノールでの染み抜き方法

  1. シミの部分の裏側にタオルをあてておきます。
  2. ガーゼ・薄手のタオル・コットンなどにエタノールを含ませ、シミを軽くトントンと叩いていきます。強く叩かない・こすらないのがコツです。
  3. ガーゼやコットンは常にキレイな部分がシミに当たるようにし、シミを移し取るように意識しましょう。
  4. 色素の汚れが取れたら、中性洗濯用洗剤もしくは中性食器洗い洗剤でシミ部分を軽く手洗いし、残った油汚れを落とします。
  5. 最後に通常洗濯で全体を仕上げ洗いします。

 

エタノール使用時の注意点

使用中の火気は厳禁!
エタノールには引火性があります。使用中にはマッチ・ライター等の火器類、電気ストーブ等の暖房器具は使用しないでください。

換気を必ず行う
エタノールは揮発性が高いので、使用中にも空気中にアルコール成分がどんどん飛んでいきます。必ず窓をあけるか換気扇を回し、通気性の良い場所で作業を行うようにしましょう。

手袋をはめて作業する
エタノールには肌の水分を奪う作用があります。乾燥肌・敏感肌の人、手荒れが心配な人は手袋をはめて作業をした方が安心です。

強くこすらない
シミを落とそうと強く擦ると、シミが却って広がったり、生地を激しく傷めてしまいます。必ず優しく、ゆっくりと作業を行うように気をつけましょう。

 

エタノールのメリット

ガンコなシミを溶解できる
ボールペンのインクや化粧品等の着色剤は水に溶けにくい上に、漂白剤等を使用してもなかなか分解することができません。しかしエタノールはこれらの染料を溶かすことができるため、落ちにくい色シミに効果を発揮してくれます。

薬局で手軽に買える
エタノール(エチルアルコール)には水分0.05%以下の「無水エタノール」と、精製水でアルコールを薄めた「消毒用アルコール」があり、いずれも薬局・ドラッグストアで販売されています。消毒用アルコールの方が若干価格が安めですが、こちらでもシミ抜きに利用可能です。

 


無水エタノール 100ml

 


【指定医薬部外品】消毒用エタノールAケンエースプレー式 100ml

 

エタノールのデメリット

水性塗料・インクには不向き
水性ボールペンやゲルインクボールペン等に使用されている着色料は「顔料」で、水にも油にも溶けにくく、エタノールでも溶解させることができません。

コストが高く感じられる
消毒用アルコールは500mlで800円程度~、無水エタノールは500mlで1000円~となっています。殺菌消毒やお掃除等によく利用される人であれば幅広い使用が可能ですが、あまりエタノールを使わないという人、頻繁に染み抜きをされない人の場合には1回あたりのコストが高く感じられるかもしれません。

色落ち・色剥げの可能性がある
エタノールはインク色素だけでなく衣類の染料も溶解させることがあります。素材や染色方法によっては色落ち・色ハゲが起きる可能性があるので注意が必要です。事前に必ず目立たない場所でテストを行い、色移り等が無いかを確認しましょう。

シミ範囲が広いと対処が難しい
エタノールでのシミ抜き対処は「エタノール(アルコール)で洗う」のではなく「アルコールで溶かして、他の布に移し取る」というものです。

付いている染料が非常に多かったり、シミ範囲が広い場合には、溶かした染料が他の部分に流れだしたり、何度作業をしても色素が取りきれないことがあります。

風合いが失われる製品がある
皮革製品にエタノールを使用すると、ツヤや光沢が失われるので使用しない方が無難です。またシルク等のデリケートな衣類、刺繍等が入っている衣類は摩擦に弱いため、エタノールで軽く拭いただけでも独特の風合い・色合いが失われる可能性も考えられます。

 

おわりに

普通の洗い方では落とせない染料系のシミに効力を発揮してくれるエタノール。でも生地によっては強いダメージを受けることもありますし、色素の内容によっては溶かせないものもあります。

・シミの原因がよくわからない(水性インクか油性インクか不明)
・シミ範囲が広い
・デリケート素材等の高級衣類である
・水洗いができない
・テストで色移りがあった

上記のようなケースでは無理にエタノール処理を行わず、プロのクリーニング店に依頼をした方が安心です。