簡単 染み抜き クリーニング方法

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着物の裏地・胴裏はシミ抜きできない?気になる時の3つの対策

着物胴裏のシミ

着物の胴部分の裏地のことを「胴裏(どううら」と言います。この胴裏に黄ばみや茶色いシミを発見して、気になっている…という人、多いのではないでしょうか。胴裏のシミ抜き方法をお探しでネット上で質問されている人も少なくないようです。

ここでは着物の裏地・胴裏のシミについて、シミ抜きができるのか、またシミ抜き以外の対策方法はあるのかという点を、着物初心者の人にもわかりやすく解説していきます。

着物の胴裏・裏地はシミ抜きができない?

着物裏地のシミ

結論から言うと、着物の裏地(胴裏)はシミ抜きをすることができません。

これだけ言われると「えー、お店の有料サービスを使わせようとしたウソなのでは?」と思う人も居るかもしれませんね。

ところが着物の裏地については、プロのお店でもシミ抜きNG。残念ながら、「現在の裏地」をキレイにすることは専門家でもできないんです。その理由について解説します。

着物の胴裏シミは酸化シミ(黄変)

着物の胴裏にできた黄ばみや茶色のシミは、一般的な食べこぼし等のシミとは成り立ちが違います。胴裏のシミは「黄変(おうへん)」という、酸化してできた古いシミです。

胴裏には汗の成分が溜まりやすく、マグネシウム・ナトリウム等のミネラルが繊維に残っています。これらの汚れは目には見えませんが、長い時間をかけて少しずつ酸素と結びつき、繊維を黄色~薄い茶色、さらには焦げ茶色へと変色させてしまうのです。

黄変(おうへん)した古い酸化シミは、ベンジンやアルコール、着物のしみ抜き剤といった一般的なシミ抜き対処法では落とすことができません。

漂白が必要だけど破れてしまう

一般的なシミ・汚れは、汚れの元を取り去ればキレイにすることができます。しかし黄変(酸化した変色シミ)は、汚れを取るだけではキレイになりません。漂白して、変色した部分を一度完全にリセットしなくてはならないんです。

ところが…着物の裏地(胴裏)は、表地に比べると生地が薄いですよね。その分だけ、漂白剤等のダメージにはとても弱いです。

つまり裏地に漂白を行うと、裏地が破けてしまったり、その部分だけ穴が空いてしまうことに。

ですから「着物の裏地については一切のシミ抜きができない」ということになります。

クリーニングでもシミ抜きできないの?

酸化したシミ(黄変)を取り去ることは、着物のクリーニング業界では「黄変抜き(おうへんぬき)」と言います。熟練の職人だけができる、とても難易度の高いワザです。

ところがこの熟練の職人でも、胴裏(裏地)については黄変抜きができません。どうしても生地が弱くなってしまうんですね。

そのため悉皆屋(しっかいや:着物のお手入れを総合的に扱う専門業者)やクリーニング屋さんでも、着物の胴裏・裏地のシミについては「お断り」となっています。

けっしてお客様に意地悪をしているわけではありません。「どうしても物理的にシミ抜き対応ができない」ということなんです。

 

着物の胴裏・裏地にシミを見つけたら?3つの対策

さて上で解説したとおり、着物の胴裏・裏地については「シミ抜き」という対策を行うことができません。では着物の裏地に黄ばみやシミを見つけたらどうしたらいいのか?具体的には3つの対策が挙げられます。

1.シミを増やさないように着続ける

【こんな時向けの対策です】

  • 安価な着物なので気楽に着続けたい
  • 黄ばみ
  • シミの程度が軽い

1つ目は「胴裏のシミはとりあえずアリ」ということにして、着物を着続ける方法です。意外とこれは多くの人がやっています。着物に詳しい人なら「胴裏は黄ばみ・シミができるもの」という感覚をお持ちです。アンティーク着物等の黄ばみやシミであれば、とりあえず着続けるというのも手なんです。

胴部分の黄ばみ程度なら、着てしまえばわかることもありません。ただ黄変(黄ばみ・シミ)ができている場合、次のようなメンテナンスはキチンと行いましょう。

汗抜きクリーニングで表地をキレイに

胴裏にシミができたということは、汗汚れが表地に付いている可能性が考えられます。放っておくと今度は、表地にトラブルが起こる可能性も。汗の成分は丸洗い(ドライクリーニング)だけでは落ちないので、汗抜きクリーニングをすることをおすすめします。

陰干しを定期的に行う

着物の胴裏にシミができているということは、カビや虫食い等のリスクもやや高いということです。年に3~4回は陰干しを定期的に行って、着物にこもった湿気をとりましょう。

また着物を着用した後もキチンと汗抜き・シミ抜き・陰干しといったお手入れを行い、新たな汚れを増やさないことが大切です。

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黄変の状態を定期チェックする

黄変の進み具合は常に確認しておくようにしましょう。お手入れをせずにしまいっぱなしの着物は、一気に黄変が進んでしまうこともあります。

黄変は黄色いシミの色が段々茶色くなり、さらに色が濃くなるタイプのシミです。黄変が促進されると布地自体が脆化(もろくなる)してしまい、トラブルのリスクが増えます。

 

2.着物を仕立て直す

【こんな時向けの対策です】

  • 振袖等の礼装着物や高級着物の胴裏にシミがある
  • 新たに娘様やお孫様に着物を受け継がせたい
  • シミ(黄変)の程度が酷い
  • 薄色の着物である
  • 着物のサイズ変更もしたい

着物の胴裏のシミの範囲がとても広かったり、色が濃くなってしまっている…このような場合、黄変(シミ)の被害が表地にまで移ってしまう恐れがあります。

特に花嫁衣装等の白色の着物、薄い色の着物だと、裏地から始まったシミ被害がひどくなるほど目立ってしまいやすいです。振袖や留袖等の礼装用着物、今後は新たなご家族がお召しになる着物等の場合、着物を「お仕立て直し」することをおすすめします。 

【仕立直し】

着物を一度ほどく

反物の状態に戻す

職人による洗い張り(水洗い)を行う

新たな裏地を付けて着物に仕立てる

お仕立て直しは時間や手間がかかりますが、着物が新品のように蘇るのがメリットです。仕立て直しの際に「洗い張り」をすることで、表地の汚れもスッキリと取れ、カビ発生等のリスクも下がります。

お仕立て直しなら、「受け継がせたい人の背が高くて着物のサイズが合わない」という時や、「年齢を経たら体が小さくなって、着物がブカブカになってきた」という時のサイズ変更も一緒にできます。

着物の場合、サイズを小さく直すだけでなく大きく仕立て直すことも基本的にはできます。

 

3.胴裏だけ取り替える

【こんな時向けの対策です】

  • メンテナンスの費用を抑えたい
  • 大切な着物の胴裏にシミがある
  • シミ(黄変)の程度がやや酷い
  • 薄色の着物である
  • 着物を長く着続けていきたい

「着物を仕立て直すのはコスト的にちょっと…」という時にオススメなのが、胴裏だけをお取替えする方法です。着物を全体的にはほどかないので工程も少なく、費用も安く抑えることができます。

胴裏の取替のデメリットとしては、どのお店でもやっているわけではない、というところでしょうか。着物のお手入れや加工に強いお店でないと断られてしまうことがあります。

悉皆屋(しっかいや:着物のお手入れの総合専門業者)のような、様々な着物のクリーニング・リフォームが行えるお店に相談すると良いですよ。

 

おわりに

着物の裏地(胴裏)にシミがある場合の対処法はお役に立ちそうですか?同じ「着物のシミ抜き」でも、表地と裏地だとシミの対策がかなり違ってきますので、十分に注意しましょう。

 

記事監修:京都着物悉皆屋【創夢】様

記事監修:京都着物悉皆屋【創夢】様

着物お手入れ【創夢】様

きもの創夢』では、お仕立て直しや胴裏の交換等、着物の裏地・胴裏シミの対策を幅広く承っています。「着物の裏地のシミがひどい!」という時には、ぜひお気軽にご相談ください。

柔軟剤は子どもに良くないの?知っておきたい注意点

柔軟剤子どもへの影響

洗濯物をフンワリと仕上げてくれる柔軟剤。最近では洗濯ジワを抑える高機能な柔軟剤はもちろん、様々な良い香りの製品も登場するようになりました。愛用している柔軟剤があるという方も多いことでしょう。

しかし小さい子どもへの柔軟剤の影響を考え、使って良いのかどうか悩んでいる…というご家庭もあるようです。柔軟剤を子どもの衣類に使うのは良くないことなのでしょうか?

ここでは柔軟剤を子どもの衣料品に使う場合の影響や注意点について、できるだけわかりやすく解説をしていきます。

柔軟剤は子どもに良くない?注意すべき影響とは

柔軟剤の使用については、次のような影響が不安視されています。

カチオン界面活性剤の使用製品が多い

まず柔軟剤と界面活性剤の関係について知っておきましょう。「界面活性剤が使われているのが怖い!」とザックリと言う人がいますが、これはかなりの勘違い。例えば天然生活を好む人がよく使う「純石鹸」だって、界面活性剤でできているって知っていましたか?

界面活性剤とは

そもそも界面活性剤というのは、どうしても混じり合わない「水と油」を乳化させるためにあるものです。油が水を弾いてしまったら、汚れは落ちませんからね。界面活性剤が含まれていなければ、食器でも衣料品でも、汚れを上手に落とすことはできません!また界面活性剤が無ければ、ふんわりさせる成分を衣類に残すこともできません。

「界面活性剤自体」を悪いものとして捉えてしまったら、私達の生活は戦国時代より前に逆戻りになってしまいます。これでは圧倒的な不衛生であり、大病等も招く大問題です。

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天然界面活性剤と合成界面活性剤

界面活性剤には大きく分けて「天然由来の界面活性剤」と「合成の界面活性剤」があります。天然由来製品は、植物から作った天然油脂や木灰、動物油脂等を混ぜて作ったもの。対して合成界面活性剤は、石油から作られています。

ここでイメージから行くと、合成界面活性剤の方が肌に悪そうですよね。純生石けんのメーカーさん等は、やはり「天然界面活性剤=肌に優しい」というイメージで製品を売っていることが多いです。かつての石油生まれの合成界面活性剤は「とにかく洗浄力をパワーアップさせる」ために使われていたので、脱脂力も強いもの。そのために「肌に良くない」というイメージがより強く刻まれてしまったとも言えます。

ところが近年の製品では、必ずしも「天然製品の洗剤製品の方が安心だ」とは言い切れなくなってきました。各企業が成分調整を行った「中性タイプの合成製品」が数多く出回るようになってきたためです。

天然の界面活性剤から作られた石けん等は、その性質上どうしてもアルカリ性~弱アルカリ性となってしまいます。そのため洗浄力・脱脂力は比較的強く、それが肌の刺激となってしまうことも。反対に中性に調整された石油由来の合成界面活性剤を使った製品の方が、脱脂力が抑えられ、肌への影響が穏やかということもあるのです。

カチオン界面活性剤の毒性は?

さて、ではなぜ「柔軟剤の界面活性剤」を問題として考える人が多いのでしょう?これはカチオン系界面活性剤の毒性問題があるからと言えます。

界面活性剤の中でも、カチオン系界面活性剤(陽イオン界面活性剤)は、洗剤等に比べてやや毒性が高いことが「日本界面活性剤工業会」からも公表されています。ただし毒性と言っても、タバコのニコチン等と比べたらまったく軽いものです。さらに、コーヒーや紅茶に含まれる「カフェインよりも軽いものである」と言うことは、多くの方にご存知いただきたいところです。

柔軟剤製品では、このカチオン系界面活性剤を用いたものがかなり多く見られます。また柔軟剤の場合、「成分が衣類に残る」点がやや問題と言えるかもしれません。あまりにも繰り返して使えば成分は衣類に多量に付着しますし、過度な使い方をしても同じこと。そのような「誤った使い方」が長期的に行われれば、肌への負担も心配になる人が多いかもしれません。

柔軟剤による「香害」の問題

もうひとつ子どもへの柔軟材の影響として不安視されているのが、いわゆる「香害」の問題です。この点についても見ていきましょう。

人工香料=悪とは言い切れない

まず「柔軟剤には人工香料が使われいるからダメ!」という意見はあまりにも短絡的すぎると言わざるを得ません。天然香料でも肌に良くないもの、子どもに良くないものはたくさんあるからです。

例えば天然香料の代表とも言えるアロマオイル(精油)ですが、レモン等の柑橘類のアロマエッセンスを洗濯物の香り付けとして使ったら、これは大問題です。自然製品でも絶対にダメです。

柑橘類の精油には、肌につけて紫外線にあたると皮膚にダメージを与える「光毒性」があります。またほとんどの精油は直接肌に触れさせることが禁じられています。下着等、肌に直接触れるインナー類に「天然香料」である精油を使うこと自体が「危険であり、絶対にNG」というわけです。

特に近年、天然製品のみでの暮らしを目指す方の中で「柔軟剤のかわりに、洗濯物の香り付けでアロマオイルを使用した」という人による甚大なトラブル報告が増えています。天然香料を用いたことによっての変色等の問題も当然あります。

「人工=NG、天然=OK」という二択での考え方は避けた方が良いでしょう。

問題は「香りすぎ」

柔軟剤の子どもへの影響で問題となるのは「香りすぎる」という点です。これは子どもに限らず、大人の嗅覚にも関係します。

人間の嗅覚は、視覚等に比べると麻痺しやすい傾向を持っています。簡単に言うと「強い香りにも慣れてしまう」ということ。香りに慣れて「香料が飛んだのか」と勘違いし、最初の頃の2倍もの量を使い続ける人が大勢居ます。小さな頃からこのような「香りすぎ」の状態に慣れてしまうことは、子どもにとって良い影響とは言えないでしょう。

 

柔軟剤は「正しく使う」が大切!

ライオンやP&G等、大手メーカーも名を連ねる「日本石鹸洗剤工業会」は、柔軟剤(柔軟仕上げ剤)の安全性について「十分研究されており、安全性があることが確認されている」と公表しています。

https://jsda.org/w/03_shiki/QA/qa-a/Qa4-0_jsda_QA.pdf

とは言え、これは「正しい使用法」をしている場合の話。使い方が間違っていては、どんなにメーカーが安心な製品を作っていても意味がありません。柔軟剤の子どもへの影響を考える上で、知ってほしいのが「柔軟材は正しく使ってください!」という点です。

使用量を正しく測定する

柔軟剤による「香害」の原因となるのは、ほとんどの場合が「使いすぎ」です。量が多ければそれだけ成分の多くが衣類に残りますし、それが肌にも影響しやすくなります。特にドラム式の洗濯機を使用している人や、お急ぎ洗いコース等を使う場合は要注意!水量が少ないので、その分だけ柔軟剤をへらす必要がありますよ。

長期の連用に注意する

同じ柔軟剤を毎回使用していると、香りに慣れてしまいがちです。また、まだ新しいタオルやシワのつきにくい製品にも柔軟材を使っていませんか?

「とにかく何にでも柔軟剤を入れる」という習慣ではなく、「必要な時に使う」と切り替えることで、柔軟剤の「香り慣れ」の問題解決にも繋がります。

 

子どもにも使いやすい安心な柔軟剤は?

近年では子どもや敏感肌の人への影響も考えた柔軟剤製品も登場しています。次な製品を選ぶのも手です。

両性イオン系の界面活性剤使用製品を選ぶ

陽イオン系界面活性剤ではなく、両性イオン系の界面活性剤を使用することで、肌への刺激を抑えることが期待できます。製品例としてはアルキルイミダゾリン型カチオンを使った「ソフター」等が挙げられます。


【業務用 柔軟剤】Kaoソフター1/3 2.1L(花王プロフェッショナルシリーズ)

無香料の柔軟剤を選ぶ

子どもへの柔軟剤の影響の中でも「香害問題」をクリアするために、無香料タイプの柔軟材を選ぶというのも良い手と言えます。

皮膚科医も推奨する「ヤシノミ柔軟剤」や、ベルギー生まれの「エコベール」など、無香料タイプの柔軟剤にも幅が出てきました。香るタイプの「鼻の慣れ」をフラットな状態に戻すために、無香料タイプに時々切り替えてみるのも良いでしょう。


サラヤ SARAYA ヤシノミ 柔軟剤 本体 600mL 無添加

 


洗濯洗剤 肌に優しい ecover エコベール 液体 本体 ボトル (無酵素・無蛍光増白剤・無着色) ラベンダーの香り 1500ml 海外 赤ちゃん laundry 日用品 マスク洗剤

 

おわりに

「柔軟剤の使用は子どもに良くないの?」という疑問について、できるだけ詳しく解説をしてみましたが、いかがでしたか?

例えば肌刺激が弱いと言われる両性イオンタイプの柔軟材でも、使いすぎてしまえば問題の解決にはなりません。また反対に「柔軟剤を一切使用しない」ということにこだわってしまうと、衣類がゴワゴワしてしまい、生活の利便性や衣類の摩擦による刺激に困る人も多いはずです。

安易で極端な考えではなく、「適切な製品を選び、適切な使い方を心がける」ということが重要であると言えるでしょう。

25%が失敗中!柔軟剤のやってはいけない6つの使い方とは

柔軟剤

あなたは柔軟剤を正しく使うことができていますか? お洗濯に欠かすことができない存在である柔軟剤。衣類をフンワリと柔らかく仕上げてくれるだけでなく、最近では静電気を防止したり、シワができにくくする効果のある柔軟剤も登場しています。また柔軟剤の良い香りも人気ですね。

でもこの柔軟剤、洗剤メーカーが行った調査では「4人に1人」が使い方を間違っているのだとか。また最近では、柔軟剤の使い方をまちがったことで周囲に「香害」という形での迷惑をかけている人も増えているようです。

柔軟剤の効果をキチンと発揮させるために、正しい使い方を知っておきましょう。ここでは柔軟剤の使い方でよくあるNG例を6つご紹介しながら、柔軟剤の正しい使い方について解説していきます。

1. ×洗剤と一緒に柔軟剤を入れる

特に縦型洗濯機を使っている人に多いのが「洗剤と柔軟剤を一緒に入れる」という間違い。実に全体の22%、5人に1人以上の人が洗濯用洗剤と柔軟剤を一緒に入れてしまっています。

柔軟剤は洗濯用洗剤と同時に入れてはいけません!

これはなぜかというと、柔軟剤には「繊維をコートする役割」があるからなんです。柔軟剤に含まれている成分は、繊維の外側を薄く取り巻いて、ふんわりと柔らかい状態にする役割を負っています。

しかし洗剤と柔軟剤を一緒に入れると、「汚れを落とす」洗剤と「コートしようとする」柔軟剤の力がぶつかり合うことに。洗濯洗剤は汚れを十分に落とせなくなりますし、柔軟剤はコート力を発揮できません。

結果として「汚れがキチンと落ちていない、ふんわりしていない洗濯物」が出来上がってしまうのです。例えればシャンプーとトリートメントを同時にしているようなものですね。

洗剤と一緒に入れている柔軟剤は意味がまったく無いだけでなく、洗剤の邪魔もしています。

柔軟剤は「すすぎ」で投入する

柔軟剤は洗濯の最初に入れるものではなく、キレイに洗い終えた「すすぎ」の状態で使用するものです。

洗剤と同時に柔軟剤を入れるのは絶対に止めましょう。

 

2. ×すすぎ1回目で柔軟剤を投入する

柔軟剤を入れるのは「すすぎ」の時…では「すすぎ」を2回行う場合、どちらで柔軟剤を入れるべきなのでしょうか?特に手洗いの場合にこの答えに間違ってしまう人が多いようです。

第1回の「すすぎ」の時に柔軟剤を投入するのは、実は間違い!

この時にはまだ水の中に汚れが残っているので、柔軟剤で繊維をコートするのはあまり良くありません。また「第2回」のすすぎで、せっかくコートした柔軟剤の成分の多くが流されてしまいます。

柔軟剤は「2回目」のすすぎで使う

柔軟剤を使うのは2回目のすすぎ(最後のすすぎ)が鉄則。

すすぎの水が十分にキレイになってから適量を加えることで、抗菌・シワ予防等の成分が繊維をしっかりとコートしてくれます。

 

3. ×柔軟剤を「洗剤投入口」に入れる

近年は洗濯機が全自動型・ドラム式等になったことで、柔軟剤の使い方に間違う人が減ったとも言われています。これは洗濯機に専用の「投入口」ができたためです。

ところが…なんと全体の4%以上は「洗剤用の投入口に柔軟剤も入れている」のだとか。これでは柔軟剤の意味がなくなってしまいます。洗濯機の投入口はそれぞれ、適切なタイミングで洗剤・柔軟剤を投入するように作られているのです。

洗剤の投入口

初回に水を貯める状態で洗剤が入れられ、十分に混ざった洗剤液で「洗浄」ができるように作られています。

柔軟剤の投入口

第2回以降の「すすぎ」の状態になってから柔軟剤が投入されるようにセットされています。

柔軟剤用の投入口を確認しよう

現在の日本で使われている全自動の洗濯機には「柔軟剤用の投入口」が必ず用意されています。使用している洗濯機の説明書をよく読み、柔軟剤の投入口がどこなのかを確認しましょう。

 

4. ×「香りが減った」と柔軟剤を増やす

お気に入りの柔軟剤、しばらく使っているとあまり香らなくなってきた…と感じていませんか?「香料が飛んだのかな」「古くなってきたのかも」と、柔軟剤の量を増やしていないでしょうか。

最近増えているのが、このような「使用量の増加」による香害です。実はこれ、「ニオイがしない、香らなくなった」と感じているのは毎日柔軟剤を使っているご本人やご家族だけって知っていましたか?

人間の嗅覚(きゅうかく:ニオイを感知する力)は、五感の中でも特に麻痺をしやすい知覚とされています。同じニオイを嗅いでいると慣れてしまって、「ニオイがある」「香りがしている」ということがわからなくなってしまうのです。

近年の柔軟剤では特に強い香料を用いているものが増えており、嗅覚が麻痺しやすいとも言われています。繰り返し同じ香料の柔軟剤を使っている場合は特に、香りを判別しにくくなりやすいです。

自分では「適度だ」と思っている柔軟剤の香り、実は周囲の人はキツすぎる柔軟剤のニオイに迷惑をしているかもしれませんよ!

無香料柔軟剤等で「香り」のお休みを

柔軟剤の使用量を一定に保つことはもちろん大切!製品パッケージの裏に水量に対する使用量が書かれていますから、必ずその量を守りましょう。

ただ「香り」に慣れた鼻を元に戻すのはなかなか難しいものです。「量を増やさないと香りがしない」と感じている方は、しばらくは無香料タイプの柔軟剤を使って、香料に対する感覚をフラットにすることをおすすめします。

 

5. ×「シワが取れない」と柔軟剤を増やす

シワ防止の柔軟剤を入れたけれど、洗濯ジワがやっぱり付いている…こんな時「柔軟剤の量が足りないのかも」と判断をしてしまう人も多いもの。でも柔軟剤をたくさん入れたからと言って、シワがつかなくなるわけではありません!

柔軟剤を使えば確かに細かい洗濯シワはつきにくくなりますが、「完全にシワがつかなくなる」というものとは違います。洗濯物の入れ方、洗濯の仕方によっては、取れにくい深いシワが付いてしまうこともあるのです。

洗濯物は適量+洗濯ネットを使いましょう

服に深いシワが付きやすい理由のひとつは「洗濯物の入れすぎ」です。洗濯物は「水流の中で洗濯物が軽々と泳ぐ程度」が理想の形。洗濯物に対して水の量が少なすぎるとシワができやすいだけでなく、汚れ落ちも悪くなるので、悪臭の原因にもなります。

また、特にシワが付きやすい自然素材の繊維(綿・麻等)の衣類は、洗濯ネットに入れて洗うのも手。脱水時間が設定できる洗濯機であれば、脱水時間を短めにすることでも洗濯ジワを減らせます。

 

6. ×「部屋干しのニオイ対策」に柔軟剤を増やす

「部屋干しのニオイが気になるから」と柔軟剤を増やしてはいませんか?部屋干しのニオイの元は「雑菌」です。柔軟剤には抗菌効果成分があるものも多いですが、それはあくまでも予防対策。すでに増えてしまった菌を消毒・殺菌してくれるわけではありません。

また多すぎる柔軟剤を使うと繊維にそれらの成分がまとわりつくため、実は雑菌のエサを増やすことになります。部屋干しのニオイがキツい理由は、柔軟剤の過度な使用ということもあるのです。

部屋干しのニオイが気になる場合は漂白剤を

部屋干しのニオイが気になる場合には、消臭力のある「酸素系漂白剤」を使って浸け置きをして、雑菌の繁殖を抑えましょう。酸素系漂白剤であれば、色柄物でも使うことができます。

また一度コインランドリーの乾燥機を使って、高温で乾燥をするのも夕刻です。普段の部屋干し乾燥時には扇風機やサーキュレーターを使って風をあて、早く乾かすことも大切ですよ。

 

おわりに

現在の柔軟剤には様々な成分が加えられて多機能になっていますが、その分だけ「量を増やせば効果が上がる」といった勘違いをしてしまう人が増えています。

またどんなに良い成分を入れている柔軟剤でも、正しい使い方をしなくては効果はキチンと発揮されません。洋服をキレイに長持ちさせるためにも、柔軟剤を正しく使いこなして行きましょう!