マニキュアを塗っている時に液をハネさせたり、半乾きの状態で爪を衣類に触れさせて「しまった!」となった経験がある…という人も多いはず。マニキュアによる染みは一般的な洗濯方法ではなかなか落とせないため「家ではムリ」と染み抜きを諦めてしまう人も居るようです。
でもマニキュアの染みは意外な方法で対処することができるんですよ。ここではマニキュアによる汚れを自宅で落とす方法について解説していきます。
染み抜きができるか素材をチェック!
マニキュアの染み抜きには、普段マニキュア落としに使っている除光液もしくはネイルリムーバーを使用します。
マニキュアのシミに含まれるのは、アクリルやニトロセルロース等の樹脂成分。カチカチに固まるこれらの成分を溶かしてくれるのが、除光液に含まれる「アセトン」等の溶解成分なんです。
ただし、除光液/ネイルリムーバーは以下の製品には使用できません。
除光液使用不可の素材
・リアセテート
木材パルプを原料としたアセチルセルロースから生成されるこれらの素材は、除光液に含まれるアセトンに反応し、溶け出してしまう性質を持っています。
布地に「穴」が開いたり、溶けた後に固まったような引き攣りを起こしてしまうのです。
なお、これらの素材は服の「裏地」として使われることも多いのが特徴です。裏地の場合でも液が触れると溶解するため、染み抜きは止めておいたほうが無難。服の表地だけでなく、裏地もしっかりチェックしておきましょう。
事前に色落ちテストをしましょう!
アセテートでは無い素材でも、除光液による「色落ち」「変色」が起こる場合があります。事前に必ず色落ちチェックをしてください。
用意するもの
・タオル/ガーゼ(白色のもので、汚れても良いもの)
手順
- 裾の裏側の折り返し部分等、服の目立たない箇所・二枚重ねになっている箇所を選んで表に出します。
- タオルもしくはガーゼに除光液を少量含ませ、テストする箇所に軽く押し付けます。
- タオル/ガーゼに色移りがあるか確認します。
タオルへの色移り、テスト箇所の変色が見られた場合には、残念ながら染み抜きは行えません。
なお以下のような製品の場合、テストでNGが出ることが多いようです。
※絹・シフォン素材・レース等のデリケートな衣類(色移り・変色)
※綿・麻で、水色やピンク等の薄い染色の衣類(色抜け)
除光液での染み抜き方法
テストで問題が無ければ、いよいよシミ抜きを行います。
用意するもの
・タオル
・綿棒/歯ブラシ(染み範囲によって使い分けます)
・ガーゼ
・台所用洗剤(中性のもの)
注意点
※部屋の窓を開け、しっかりと換気をした状態で行います。
※手荒れを防ぐため、ゴム手袋等を着用することをおすすめします。
※除光液は揮発性・引火性の高い製品です。ライター・マッチ等の火器類は絶対に使わないでください。
作業手順
- 衣類を裏返し、染みのある側にタオルをあてておきます。
- 綿棒か歯ブラシに除光液を含ませ、シミの裏側から除光液を馴染ませていきます。
ごく軽く綿棒でシミ部分を叩き、裏にあるタオルにシミを吸わせていくようにしましょう。 - シミの抜け具合をチェックします。
ニット素材等の厚みのある素材で、表側に色残りが見られる場合には、ガーゼに除光液を含ませ、表側からも軽く摘み取るように染み抜きを行います。 - シミが目立たなくなったら、台所用中性洗剤を少量付けて歯ブラシで軽く叩き、残った色素を落とします。
- シミが取れたら該当箇所をよく水洗いし、最後に通常の洗濯で仕上げます。
おすすめ染み抜き剤
【Dr.Beckmann】 ステインデビルズ (6) 機械油/ペンキ 【ドクターベックマン】
【落とせるシミ】油絵の具・ガム・機械油・靴クリーム・グリース・修正液・樹脂・潤滑剤・タール・糊・ペンキ・マーガリン・マニキュア・床用ワックス・ろうそくのろうなど
【内容量】50ml
【成分】界面活性剤(11%、C13アルコールエトキシレート)、溶剤(芳香族炭化水素類、アルコール類)
【サイズ】幅 5.3cm × 奥行 2.5cm × 高さ 13.3cm
【製造国】ドイツ
おわりに
アセテート等の除光液が使えない素材や、色落ちテストでNGが出てしまった素材の場合には、専門のクリーニング店に相談をしてみましょう。
依頼時にシミの原因がマニキュアであることを付け加えておくと、より適切なシミ抜き対処を行って貰えますよ。