自転車のチェーンや公園の遊具、手すり等に浮いている鉄サビや赤サビ。出かけた後に洋服を見てみると、金属のものに触れた部分がサビ色になってしまっていることがありますね。鉄サビのシミは、通常の洗濯方法ではほとんど落とすことができません。
でも、おうちにある意外なものが鉄サビの染み抜きには役立ってくれるんです。ここでは鉄サビのシミ汚れの落とし方ついて、詳しく解説していきます。
お酢のパワーで鉄サビをシミ抜き!
鉄サビ(赤錆)とは、鉄と酸素が触れ合ったことで酸化が進んでしまった状態の金属(酸化鉄の一種)です。このサビに酸性の成分を含ませると酸化が促進され、繊維に絡んでいる鉄サビ(赤サビ)の粒子を浮かせ、落とすことができます。
自宅にある酸性の液体としては、「お酢(ビネガー)」が最も手軽でメジャーと言えるでしょう。普段はキッチンで使っているお酢を使って、鉄サビの染み抜きを行っていきます。
用意するもの
・スプレー容器(小さめのもの)
・タオル
・歯ブラシ(使いふるしのものでOK)
・キッチン用洗剤(中性のもの)
※生地・染色によっては変色・色抜け等を起こす可能性があります。事前に必ず衣類の目立たない場所でチェックテストを行いましょう。
シミ抜き手順
- スプレー容器にお酢を適量入れておきます。
- シミ部分の裏側にタオルをあてます。
- 歯ブラシを水で濡らし、シミ部分を軽く叩いてシミ箇所を湿らせます。
- お酢をシミのある箇所にスプレーします。
- 歯ブラシでトントンと軽く叩き、鉄サビのシミを浮き上がらせていきます。強く擦ると生地の傷みの原因となるため、必ず優しく叩くようにしてください。
- シミの浮き上がり具合を確認し、落ち切らない場合には4)~5)の工程を繰り返します。
- シミが目立たなくなったら、シミの箇所を水でよく濯ぎます。
- キッチン用洗剤を歯ブラシに付け、スプレーした箇所全体を軽く叩いて洗剤を行き渡らせます。厚地で丈夫な生地の場合には、もみ洗いをしてもOKです。
- もう一度水でよく濯ぎ、洗濯機洗いもしくは手洗いで全体を仕上げ洗いします。
※酸性であるお酢の成分が生地に残ると変色や黄ばみ等の原因となってしまいます。シミが目立たくなった後には水で濯ぐだけでなく、キッチン洗剤を使用して洗う作業を忘れないようにしましょう。
お酢が無い時には??
鉄サビ・赤サビのシミ抜きを自宅で行う場合、対処はできるだけ早く行いたいところです。「自宅にお酢が無い!」と言う場合には、以下の様な酸性の製品で代用します。
お酢の代用品
- レモン汁(果汁100%であれば瓶入りのものでもOK)
- ライム汁
- クエン酸
※なお「酸性だから」と言って、強酸性の漂白剤やお風呂用洗剤・トイレ用洗剤等を使用するのはNGです。洗浄力・漂白力が強すぎるため、シミ部分だけでなく生地全体の染色や柄が漂白され「色抜け」を起こしてしまいます。
おわりに
酸性の液体(お酢等)をかけて叩く・揉むといった染み抜き方法は、生地繊維には多少のダメージを与えます。
特にシルク等のデリケート素材や薄い素材・レース等で生地の傷みが心配な場合には、自宅で処理を行わず、クリーニング専門店に依頼をした方が無難です。
またサビが付着してから時間が経過していると、赤サビ・鉄サビのシミは落ちにくくなります。「お酢対処を何度かやってもサビが浮かない」という場合には、それ以上無理にこすらずに早めに専門店に依頼をしましょう。