ふだん食器洗いに使っている台所用の液体中性洗剤。実はコレ、衣類のシミ抜きに大活躍してくれるアイテムなんです。ここではキッチン用洗剤を使用したシミ抜きについて、シミ抜き方法や注意点等を詳しく解説していきます。
台所用中性洗剤が効果を発揮するシミとは?
キッチン用洗剤は、いわゆる「食べこぼし系」のシミに効果を発揮してくれます。食器洗いに使用される中性洗剤は、食べ物に含まれる油や色素を分解するために特化した成分が多めに含まれているのが特徴です。そのため、ガンコなシミとして残りやすい油溶性のシミや色素成分の強いシミにも向いています。
中性洗剤が効果的なシミ
・カレー・ワイン等の色素の強いシミ
・ココア(ミルクココア)、ヨーグルト等の乳脂肪分系のシミ
台所用中性洗剤でのシミ抜き方法
2)歯ブラシを水で濡らしてから、シミ部分を軽く叩いて湿らせます。
3)洗剤少量を歯ブラシにつけ、シミ部分をごく軽く叩いていきます。擦ったり強く叩くとシミの広がり・生地の傷みの原因となるので、あくまでも軽く叩くことが大切です。
4)ぬるま湯もしくは冷水で軽く濯ぎ、色素残りをチェックします。色素が残っている場合には再度3)を行います。
5)シミが目立たなくなったら、手洗いもしくは洗濯機を使った通常洗濯で仕上げます。
※3倍濃縮タイプの場合、原液ではなく3倍程度に水で希釈した溶液を使用してください。
台所用洗剤を使う場合の注意点
⚠アルカリ性洗剤の使用は避ける
台所用に使われる洗剤には、中性のものの他、弱アルカリ性/アルカリ性のものもあります。これらは洗浄力が非常に強く、よりガンコでベトベトとした油汚れ(例:換気扇汚れ、レンジフード周りの汚れなど)等にに向いた製品です。
しかし衣類にアルカリ性キッチン洗剤を使うと、生地によっては強い変色や色落ち、また衣類が薄くなる・溶けるといった変質を起こす可能性があります。必ずパッケージ裏面の液性を確認し、シミ抜きには「中性」を使用するようにしましょう。
⚠変色・色落ちテストを行う
中性の台所洗剤でも、生地・染色の内容によっては色落ち・変色が起きる可能性はあります。シミ抜きに使用する場合には事前に衣類の目立たない場所でテストを行い、問題が無いか確認しておきましょう。
台所用中性洗剤のメリット
購入不要か安価に購入できる
現在お使いの食器用洗剤が中性のものであれば、わざわざ新しくシミ抜きグッズを買う必要がありません。
また新たに中性洗剤を購入される場合でも、3倍濃縮タイプの価格は160ml~180mlで100円~140円。
原液使用タイプでは800ml入り等の大容量でも300円台と安価です。ドラッグストア等で割引販売も頻繁に行われていますし、選択肢も広く手軽に購入できます。
気軽にシミ抜きが行える
漂白剤のように放置時間を置く必要もなく、またベンジン等の揮発性溶剤のように換気等の準備を入念に行う必要もありません。
「シミができた!」と思ったら、使い古しの歯ブラシさえあればすぐにシミ抜きに取り掛かれます。
特に小さなお子さんのいるご家庭等では「食べこぼしシミ」は頻繁に起こるもの。ササッと汚れ落としができる中性洗剤で、早めに対処をしておきましょう。
台所用中性洗剤のデメリット
水洗いは必須
中性洗剤でのシミ抜きでは、最後に必ず水かぬるま湯での「濯ぎ」の工程が必要になります。
洗剤原液や洗剤溶液が衣類に残ったままだと変色の原因となるため、シミ抜き作業後に水洗い・丸洗いができない製品には使用できません。
シミ抜き前には洗濯表示をよく確認しましょう。
時間が経過したシミの対処は難しい
シミができてから長い時間が経過してしまうと、シミ成分が繊維に強く絡みつき、中性の洗剤では分解しきれなくなってしまいます。
特にシミに気づかずに何度も洗濯と乾燥を行っている場合、成分の酸化や変質が起こっており、中性洗剤のみでシミ抜き対処を行うのはやや困難です。
デリケート素材には向いていない
シルク・アルパカ・カシミヤ等の繊細な素材の場合、独特の風合いが洗剤使用によって失われたり、縮みや生地の傷みを起こす可能性があります。
おわりに
台所用中性洗剤は、日常的にできるシミをサッと落としてくれる心強い存在です。しかし水洗い不可の製品・デリケート素材の製品には向いていない等、使用範囲にはある程度の限定性があります。
「これは絶対ダメにしたくない!」というような大切な衣類のシミ、また古いシミ等については、シミのプロである専門のクリーニング店に依頼をした方が無難です。