簡単 染み抜き クリーニング方法

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大根おろしがシミ抜きに使える?血液、牛乳…意外な染み抜き効果とは

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日本人の食卓には頻繁に出てくる「大根おろし」。さんま等の焼き魚にしゃぶしゃぶ、和風ハンバーグや和風ステーキ等、様々な料理に使われていますよね。でもこの大根おろし、実は「シミ抜き」として使うことができるって知っていましたか? 日本では江戸時代より昔から、大根おろしを衣類のシミ抜き剤として活用していたんです。大根おろしを使うと、血液のシミや牛乳のシミ等の「落としにくいシミ」が、ググッと落としやすくなるんですよ。今回は「大根おろし」のシミ抜き効果や、シミ抜きをする時の手順についてご紹介していきます。

大根おろしがシミ抜きに使える理由とは?

「大根おろしでシミが落とせる」と言うと、意外に思う方が多いはず。また「大根=洗剤・石鹸なの?」と勘違いをする人も居るようです。もちろん、大根が石鹸…というわけではありません。大根に含まれる「酵素」が、汚れを分解する力を持っているんですよ。

「酵素」とは、例えば人間の体内で行われる消化吸収・代謝等、様々な物質変化の際に欠かすことができない存在です。大根おろしに含まれるのは、食物酵素の一種である「ジアスターゼ」という酵素。別名は「アミラーゼ」とも良い、人間の体内では唾液や膵液等に含まれる「消化酵素」としても働いています。

このジアスターゼは、「タンパク質」を分解することに特化した働きを持っているんです。

つまり大根おろし(ジアスターゼ)は、一般的には落としにくいと言われる「タンパク質汚れ」を分解するのが得意!というわけなんですね。

 

大根おろしが効果を発揮するシミ・汚れとは?

大根おろしが分解できる「タンパク質の汚れ」とは、どんなものなのでしょうか。

・血液の汚れ
・おしっこの汚れ
・母乳の汚れ
・牛乳の汚れ
・卵(卵液)の汚れ 等

私達の体内から出てくる血液おしっこ、母乳は、いずれもタンパク質を多く含んでいます。また牛乳や卵といった動物性食品(乳製品等)も、タンパク質を多く含む物質です。

タンパク質は時間が経つにつれて固まる性質を持っており、徐々にガンコで落ちにくいシミとなっていきやすいもの。例えば血のシミって、すぐに洗わないと石鹸ではなかなか落ちなくなりますよね。

でも「大根おろし」に含まれるジアスターゼの力を使えば、ガンコな血液シミがとっても落としやすくなるんです。

 

大根おろしを使ったシミ抜きの方法

ではどのようにシミ抜きを行うのか、その手順を見てみましょう。

用意するもの

・大根
・ガーゼ
・輪ゴム
・タオル
・洗濯用洗剤(中性タイプ)

シミ抜き手順

  1. 大根をすりおろします。(粗目でOK)
  2. ガーゼ等に大根おろしをくるみ、輪ゴムで縛っててるてる坊主のようにします。
  3. シミがある衣類を広げて、シミ部分の裏側にタオルをあてておきます。
  4. 大根おろしをくるんだガーゼで、シミ部分をトントンと叩いていきます。
  5. 分解された汚れがガーゼに移ったら、ガーゼの位置を徐々に動かして、常にキレイな部分が汚れに当たるようにします。
  6. 汚れが取れきったら、水でシミ部分をよくすすぎます。
  7. 洗濯用洗剤を使って、全体を手洗いもしくは洗濯機洗いして仕上げます。

※大根おろしを使ったシミ抜き方法では、水洗いの工程が欠かせません。水洗いができない製品には、上記の方法は使用しないでください。
※すすぎ・仕上げ洗いでは、必ず冷たい水を使用しましょう。お湯を使うとタンパク質が凝固し、残った汚れが取れにくくなることがあります。
※染色方法によっては、大根おろしの成分で変色が起きることがあります。目立たない箇所でテストを行い、変色・色落ち等が起きないかテストをすることをおすすめします。

 

大根おろしを使ったシミ抜きの注意点

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大根おろしは「おろしたて」が大切!

大根に含まれる「ジアスターゼ」は、酸化に弱いという弱点を持っています。酸化に弱いとは、空気(酸素)に触れるとどんどんジアスターゼが壊されてしまい、汚れを分解する力が落ちてしまうということ。つまり大根おろしをすって放置をしておくと、「汚れが落とせない大根おろし」になってしまうんです。

大根おろしに含まれる「ジアスターゼ」の力を最大限に発揮するには、「おろしたて5分」が理想的であると言われています。おろしてから30分以上が経過した大根おろしには、酵素がおろしたての1/20程度しか残っていないのだとか。シミ抜きをする直前に、ササッとおろすようにしましょう。


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大根おろしの成分を衣類に残さない

「シミが分解できたから…」と、衣類をきちんとすすがなかったり、全体洗いをサボってしまうのはNG!大根おろしの汁も一種の「野菜汁・果汁」と同じ範疇ですので、汁をつけっぱなしにしておくと別の「シミ」になってしまったり、輪ジミを作ってしまうことがあります。

シミを分解した後には丁寧にすすぎと仕上げ洗いを行い、大根おろしの成分が衣類に残らないようにしましょう。

 

おわりに

身近な食品である「大根」が、落としにくい血液汚れや母乳汚れを分解してくれるなんて、ビックリですよね。ただ天然の酵素の力は限定されているので、「汚れが付いてから時間が長く経過した古いシミ」「乾燥して繊維に付着したシミ」などは、キレイに落としきれないことがあります。

大根おろしでもシミを落とせなかった…という場合には、プロのクリーニング店に相談をしてみた方が良いでしょう。