男性のビジネススタイル・フォーマルスタイルには欠かせない小物であるネクタイ。体の前面にある上にはためくように動くため、意外と様々な汚れが付きやすい存在となっています。
特に食べこぼし汚れのシミ・ハネ等が付いてしまうと、汚れが目立ってしまうので困りますね。こんなネクタイのシミ、付いたら即時にクリーニング…と思っていませんか?ネクタイの汚れは、実は自宅で落とすこともできるんです。
今回は知っておきたいネクタイのシミ抜き方法と、アイロンがけのコツ等についてご紹介していきます。
1.ネクタイのシミ抜き方法とは?
コーディネートのポイントになる「ネクタイ」には、シャツ・スーツ等に比べて繊細な生地が使われていることが多いもの。そのためネクタイのシミ抜きでは、生地をいためにくい「中性」の液体洗剤を使用します。
いわゆる「オシャレ着洗い用」の洗剤ですね。Tシャツやワイシャツ等を洗う時に使っている蛍光剤・漂白剤等が入った合成洗剤では、生地が一気に縮んてしまったり、毛羽立ってしまう可能性が高くなりますので、ネクタイには使用できません。
中性洗剤はシミ抜き以外にもニット洗い・デリケート生地洗い等幅広い洗濯に使えますから、一本持っておいて損はないですよ。
準備するもの
・バスタオル2枚
・ネクタイ用ハンガー
※このシミ抜き方法は、ウール・リネン・コットン・ポリエステル等の素材で作られたネクタイを対象にした方法です。ネクタイの素材をよく確認してからシミ抜きを始めましょう。シルク・レーヨン・アセテート生地等場合には、項目3.をご覧ください。
※染色方法等によっては、中性洗剤でも色落ち・変色等が起きる可能性があります。事前に裏側等の目立たない箇所に洗剤溶液を付けてテストを行うことをおすすめします。
シミ抜きの手順
- 洗面器等に水を張り、中性洗剤を適量入れます。使用量は洗剤製品の使用説明書に従って調整しましょう。
- ネクタイを軽く折りたたみ、1)の溶液の中に漬け込みます。
- ごく柔らかく押すように、10回程度押し洗いをします。その後20回程度溶液の中で振り洗いをします。ゴシゴシと擦ったり、強くもんだりしないように気をつけましょう。
- 水を2回取り替えて、丁寧にすすぎます。このときも真水の中で振り洗いをするように、優しくすすぎを行います。
- しぼらずにバスタオルの上に広げ、上下からタオルで挟むようにします。
- トントンとごく柔らかくタオルで挟みながら水を吸い取っていきます。ギュッと力を入れて挟むと芯地が痛みますので、できるだけ丁寧に吸水を行いましょう。
- タオルが濡れて水を吸わなくなったら、新しいものに替えてもう一度水分を吸わせます。
- ネクタイ用ハンガーにかけて、形を丁寧に整えます。
- 1日以上は陰干しにして、水分をしっかりと飛ばします。芯地に水分が残っているとカビや変色の原因となりますので、表面だけで乾燥具合を判断しないようにしましょう。
しっかりと乾燥をさせたら、仕上げのアイロンがけを行います。
今日は #ネクタイの日 だったり、 #醤油の日 だったり、#コーヒーの日 だったり、#日本茶の日 だったりするのでネクタイにそんな、なにかしらがついてしまった時のシミ取り方法を置いておきます。でもどうしてもだめならやっぱりクリーニング屋がベターです。https://t.co/DN32TOulKK
— 花王 アタック(お洗濯全般) (@kao_attackjp) 2018年10月1日
2.ネクタイのアイロンがけのコツは?
ネクタイのシミ抜きを行ったら、アイロンでの仕上げは必須です!「洗ったまま」の状態ではビジネスシーンに使用はできません。またネクタイのアイロンがけではハンカチなどとは異なり、ちょっと立体的に仕上げることも重要になってきます。家庭用アイロンでもキレイに仕上げやすい「アイロン用の仕上げ剤」も準備しておきましょう。
準備するもの
・アイロン台
・アイロン用仕上げ剤(キーピング、スムーザー等)
・あて布(ハンカチ等で代用OK)
・菜箸2本
ネクタイのアイロンがけの手順
- アイロンは中温程度に温め、スチーム設定にしておきます。
- アイロン台にネクタイを裏向きに置き、仕上げ剤をかけてからあて布をします。
- あて布の上から、力を入れずに蒸気をあてるようなイメージでアイロンをかけていきます。力をギュッと入れて押さえつけないように気をつけましょう。
- 表面のアイロンがけが終わったら、ネクタイの両端に菜箸を入れます。
- 菜箸を入れた状態で、横側に軽くアイロンをかけます。横側にアイロンをかけることで、ネクタイのフンワリとした厚みを表現します。
なお菜箸を入れて両端に厚みをもたせるアイロンがけは、アイロンに慣れていない人だと難しいことが多いようです。普段ほとんどアイロンがけをしたことが無い…という人は、アイロンに慣れているご家族等に頼んだ方が良いかもしれません。
3.ネクタイのシミ抜き、家庭でできないこともある?
以下のような場合、ご家庭でネクタイのシミ抜きが行えないこともあります。
付いてから時間が経った古いシミ、範囲の広いシミ
ネクタイのシミ抜きでは、生地を傷ませないように洗浄力が比較的弱い中性洗剤を使用します。時間を置いたシミ、範囲の広いシミ等、繊維への吸着力が強い汚れの場合、中性洗剤では落としきれない可能性が高いです。また無理にご自宅用の強い洗剤を使うと、ネクタイをダメにしてしまう恐れがあります。
縮みやすい素材のネクタイ
シルク、レーヨン、アセテート等の素材は、水洗いによる収縮がとくに激しいという特徴を持っています。ネクタイの型崩れを起こす可能性が高く、ご自宅でのシミ抜きがあまりおすすめできません。
「どうしても自宅で洗いたい!」という場合には、シミ抜きをした直後、半乾き程度の状態で丁寧にアイロンがけを行い、収縮した生地を伸ばすようにアイロンを当てていくことになります。
アイロンがけのより高度なテクニックが必要になりますので、他の素材(ポリエステル等)のネクタイで一度練習をしておくことを強くおすすめします。
上記のような家庭でのシミ抜きが難しい製品については、クリーニング専門店でドライクリーニングもしくはウェットクリーニングを依頼しましょう。
おわりに
型くずれや生地の劣化を起こしやすい「ネクタイ」は、クリーニング専門店でも強力なシミ抜きを行いづらいアイテムとなっています。そのためクリーニングに持ち込む場合でも、できるだけ早めに持ち込んだ方がキレイに仕上がる可能性が高くなります。
「この程度のシミなら目立たない?」と思っていると後からシミが変色することもありますので、早め早めにシミに対処しておくことが大切です。汚れが目立ちやすいネクタイの場合には、クリーニング店で撥水加工をしてもらうのも手ですよ。