一口に「宅配クリーニング」と言っても、業者によってサービスの内容には違いがあるものです。特に料金が安い格安系の宅配クリーニング店と高級な宅配クリーニングでは、サービス内容に大きな差が出ます。
「宅配クリーニングを使って失敗した」という結果にならないためには、格安系宅配クリーニングと高級系宅配クリーニングの違いや特徴を知っておくことが大切です。
今回は安い料金の宅配クリーニング店と高級クリーニングの違いを7つの側面から解説していきます。
- 1.検品のていねいさに差がある
- 2.クリーニングメニューの選択肢
- 3.洗浄液のキレイさ
- 4.洗濯物の枚数が違う?
- 5.リペアやメンテナンスのメニュー
- 6.型崩れを防ぐ梱包
- 7.ハイブランドへの対応
- まとめ:宅配クリーニングは格安・高級を使い分けよう!
1.検品のていねいさに差がある
宅配で届いた衣類は、業者の元で「検品(けんぴん)」をしてからクリーニングされることになります。検品とは衣類の現在の状態をチェックすることですが、格安系のクリーニングと高級宅配クリーニングではその内容に大きな違いがあります。
高級宅配クリーニングの検品内容
1)ポケットの中身のチェック2)洗濯表示の確認
3)衣類の現在の傷みの確認(色焼け・糸引き・穴空きなどは無いか、ダメージで広がらないか等)
4)付属品の確認と取り外し不可の場合の保護
5)特殊加工・飾りの確認
6)ボタンの取り外しの確認と必要な場合の保護(ボタン割れの防止)
7)色にじみ・色抜け等のチェック
8)シミ・汚れの状態チェック
格安宅配クリーニングの検品内容
1)ポケットの中身チェック高級宅配クリーニングの場合には、綿密な検品によって最適なクリーニングのメニューを提案することもできますし、着用者が気づいていなかったシミ・汚れ等も割り出すことができます。クリーニングによって衣類がダメージを負わないための対策も十分に行ってくれるので安心です。
でも格安系の宅配クリーニングの場合だと、依頼されたクリーニングメニューをほぼそのまま行うのみで、検品は「ポケットチェック」くらいという業者が珍しくありません。
2.クリーニングメニューの選択肢
格安系宅配クリーニングの場合
・ドライクリーニング(石油溶剤による機械洗い)のみ高級宅配クリーニングの場合
・ドライクリーニング(石油溶剤による機械洗い)・汗抜き加工(ドライ+水性洗浄液による汗抜き)
・ウェットクリーニング(水洗い) 等
石油溶剤を使った一般的なドライクリーニングは、油汚れ等を落とすことはできますが、汗汚れ・ジュース汚れ等の水溶性汚れは分解することができません。
特に汗汚れをドライクリーニングのみで対応していると汗の成分が蓄積し、黄ばみ・変色等を起こす原因になります。
汗汚れを落とすには、水を使った「ウェットクリーニング」を行うのが一番です。汗をかいたあとの夏服や何度も来たスーツ・制服等は、高級宅配クリーニングでウェットクリーニングを依頼した方が良いでしょう。
3.洗浄液のキレイさ
ドライクリーニングで使用する石油系溶剤は、水のようにどんどん下水に捨てることはできません。ある程度ためておいてから濾過して、再度使うことになります。
高級宅配クリーニングの場合、少ない洗浄回数でどんどん溶剤を濾過し、つねにきれいな溶剤を使って衣類洗浄を行います。しかし濾過には経費がかかるので、格安系の場合だと濾過の回数をぐぐっと減らし、何度も同じ石油溶剤を使いまわします。
超格安系の宅配クリーニングだと、何度も使いまわした「汚れた溶剤」を使われる可能性も大…というわけです。
4.洗濯物の枚数が違う?
ご自宅での洗濯を思い出してみましょう。洗濯機の中にギュウギュウに洗濯物を入れるより、少ない枚数で洗った方が洗濯物がキレイになりますし、服の傷みも少ないですよね。宅配クリーニングの場合でも、同じことが言えます。
格安系宅配クリーニングの場合
何十枚という衣類を大型洗濯機でまとめてクリーニングする。他の顧客の衣類と一緒に衣類は洗われる。高級系宅配クリーニングの場合
顧客単位で洗濯物を分けてクリーニングする業者が多い。依頼がある場合、一点ごと等の極少数に仕分けたクリーニングに対応できる業者もある。「知らない人の衣類と一緒に洗われるのは嫌」「よりキレイに、傷みなく仕上げて欲しい」という場合は、少量で洗ってくれる高級系クリーニングにおまかせした方が良いでしょう。
5.リペアやメンテナンスのメニュー
宅配クリーニングでは衣類を全体的に洗浄・洗濯するだけでなく、取れにくいシミの「シミ抜き」をしたり、傷んだ服の修復なども行ってくれます。しかしこの内容も、格安系と高級系では違いがあります。
高級系宅配クリーニングの場合
・毛玉取り(ほぼ無料)・シミ抜き(新しいものであればほぼ無料)
・ボタン付け
・虫食い補修(かけはぎ)
・色落ちの戦勝
・ほころびの縫い付け 等
カンタンに言えば、高級系宅配クリーニングでは「新品に近い状態に服を戻す」というレベルの作業を行ってくれるというわけです。
6.型崩れを防ぐ梱包
美しく仕上げられた衣類の型や風合いを保つには、配送時の梱包にも気を配る必要があります。
格安系宅配クリーニングの場合
・ハンガー使用はジャケット・コートのみ・平型のハンガーを使用
高級系宅配クリーニングの場合
・ほぼ全商品にハンガーを使用して配送・立体型のハンガーを使用
・ハンガー配送可能な専用箱を使用
・緩衝材や型紙を豊富に使って型崩れ防止
高級系の宅配クリーニングでは、立体的なラインを崩さないための様々な工夫が行われています。家に戻ってきた衣類は、袋さえ取ればほぼそのままクローゼットに保管することができるでしょう。
反対にラインが美しい服の場合、料金が安い宅配クリーニングに出してしまうと「型崩れ」が起きてしまう可能性も考えられます。
7.ハイブランドへの対応
CHANELやDior等を始めとしたハイブランドの服、また特殊な加工を施した高級ブランド服については、格安系・高級系で対応が大きく違ってきます。
格安系宅配クリーニングの場合
・ハイブランドの服はクリーニングを断られる(クリーニングなしで返品扱いとなる)・ハイブランドの服でも一般服と同じ扱いを受ける
高級系宅配クリーニングの場合
・高級ブランド対応が公式サイト上でも確認できる・ブランドの特殊加工などに合わせたクリーニングメニューを行って貰える
高級宅配クリーニング業者の中には、対応可能なブランド名を一覧にして掲載しているところもあるほどです。
まとめ:宅配クリーニングは格安・高級を使い分けよう!
料金が安い宅配クリーニング業者と高級な業者では、対応にかなりの差がありましたね。それぞれの特徴を知って、次のようにクリーニング業者を使い分けてみるのも良い手です。
格安クリーニングを使う服
・毎日着るワイシャツ・定期的に洗いたい普段着 等
高級宅配クリーニングに出す服
・高級ブランド服・ダメージを防ぎたい大切な服
・汗汚れがついた服
・しばらく着ないで保管する服 等
カジュアルな衣類は、安い料金の宅配クリーニングで気軽にお手入れを。お気に入りの服や長く大切に着ていきたい服は、きちんとメンテナンスをしてくれる高級宅配クリーニングに依頼をした方が良いでしょう。
上手に使い分ければ、宅配クリーニングの料金を抑えつつ満足のいく結果が手に入れられますよ。