「シャツの襟の黄ばみが気になる」「袖口が黒ずんでしまった…」特に白い衣類だと、こんな衿・袖の汚れのトラブルは多いですよね。このような汚れの主な原因は「皮脂(ひし)」。皮脂汚れは普通のお洗濯だけでは落としにくいガンコな汚れなので、放っておくと困ったシミになりやすいんです。
自宅にある洗剤や漂白剤・その他便利なアイテムを使って、皮脂汚れをスッキリ落とす対処をしていきましょう!
ここでは自分でできる皮脂汚れの落とし方を、汚れの状態に合わせて3つご紹介していきます。
1.暑い日は「食器用洗剤」で皮脂汚れ落とし
皮脂汚れが特に付きやすいのは、たくさん汗をかく夏の季節です。「今日は汗をかいたな、暑かったな」と感じたら、お洗濯の前に皮脂汚れを落とすための下洗いをしておきましょう。
皮脂汚れの下洗いには、特別なアイテムを準備する必要はありません。毎日の食事の片付けに使っている「食器用洗剤」で十分です。
用意するもの
- 食器用洗剤
食器洗剤を使った皮脂汚れの落とし方
- ぬるま湯で汚れが気になる部分を軽く濡らします。
- 食器用洗剤を少量、汚れの気になる部分に垂らします。
- 洗剤をもみこむようにして洗います。
- ぬるま湯で軽くすすぎます。
- 通常のお洗濯で仕上げます。
注意点
※水洗いができない衣料にはこの方法が使えません。
※染料・素材によっては、食器洗剤でも色落ち・変色することがあります。不安な場合には目立たない場所等でテストをしておきましょう。
2.皮脂汚れの黄ばみには「塗りつけ洗濯」が効果的
皮脂汚れが残って少し時間が経つと、その部分は「黄ばみ」としてあらわれます。黄ばみが気になる時には、酸素系漂白剤の出番!通常のように洗濯機に入れるのではなく、「塗りつける」という方法で洗浄力のパワーアップを狙います。
用意するもの
- 酸素系漂白剤(液体タイプ)
- 洗濯用洗剤(液体タイプ)※酵素入りがおすすめ
- 古い歯ブラシ(毛質が柔らかいもの)
漂白剤を使った皮脂汚れの落とし方
- 皮脂汚れによる黄ばみが気になる部分に、液体洗剤を直接塗りつけます。範囲が狭い場合には歯ブラシを使いましょう。
- 液体タイプの酸素系漂白剤を、原液の状態で①で塗りつけた部分の上からあらに塗りつけていきます。黄ばみの状態が酷い場合には、ここで歯ブラシで汚れ部分を軽く叩くと効果的です。
- 黄ばみが軽い場合には、軽く揉み込んでから通常通りの洗濯機洗い(または手洗い)で仕上げます。
- 黄ばみが酷い場合には、軽く揉み込んでからぬるま湯に30分~60分くらい浸して放置します。
- 通常通りの洗濯機洗い(または手洗い)で仕上げます。
注意点
※水洗いができない衣料にはこの方法は使えません。
※中性洗剤でしか洗えないデリケート衣類もNGです。
※含金属染料で染められた製品に使うと変色します。必ず事前に目立たない箇所でテストを行いましょう。
※金属ボタン・ファスナー等がある服には酸素系漂白剤は使えません。
※つけ置きを2時間以上すると色落ちすることがあります。放置は必ず60分までにしましょう。
3.ガンコな皮脂汚れには「重曹+スチーム」を
黄ばみの状態がとても酷くて漂白剤を塗りつけるだけでは皮脂汚れが落とせなかった…こんなガンコ汚れの時には「重曹」と「蒸気」の力を借りて、漂白剤の力をさらにパワーアップさせてみましょう。
用意するもの
- 重曹(料理用・掃除用どのグレードでもOK)
- 酸素系漂白剤(液体タイプのもの)
- 洗濯用洗剤(液体タイプのもの)
- スチームアイロンまたはドライヤー
- 古い歯ブラシ(毛質が柔らかいもの)
スチームを使った皮脂汚れの落とし方
- スチームアイロンを十分に温めておきます。
- 上の「2.」の方法と同じように、液体タイプの漂白剤と洗剤を汚れの気になる部分に直接塗りつけます。
- 洗剤を塗りつけた上から重曹をパラパラと少量ふりかけます。
- スチームアイロンの蒸気を汚れが気になる場所にあてます。(衣類に直接アイロンをつけるのはNGです)アイロンが無い場合には、ドライヤーを高温設定にして温風をかけます。
- 蒸気で衣類が温まったら、古い歯ブラシでトントンと叩いて汚れを浮かせます。
- 汚れが目立たなくなるまで、4)と5)を数回繰り返します。
- 皮脂汚れが取れたら、全体を洗濯用洗剤で洗って仕上げます。
注意点
※洗濯表示で温水での洗濯禁止のもの、アイロンの度数が「低」になっている衣類にはこの方法は使えません。繊維が縮む等の変質を起こして、元に戻らなくなる可能性があります。
※刺繍やレース等、特殊加工がある部分に熱を当てるのはNGです。加工が剥がれたり、変色する恐れがあります。
※中性洗剤でしか洗えない衣類には、重曹は使用できません。変色・変質を起こす可能性があります。
※染料によっては、重曹や漂白剤で変色が起きる可能性があります。必ず事前に目立たない場所でテストを行いましょう。
※汚れを落とす時、歯ブラシでゴシゴシとこするのはやめましょう。繊維の毛羽立ちや色あせが起きる可能性があります。
重曹を「セスキ」に変えるのもおすすめ
重曹は料理やお掃除等の幅広い用途で使えるので、すでにお持ちという人が多いですよね。でも「これから皮脂汚れのシミ抜きに重曹を買う予定」という場合や、「シミ抜き以外には重曹を使わなそう」という場合であれば、重曹ではなく「セスキ炭酸ソーダ」を用意してみるのもおすすめです。
セスキ炭酸ソーダとは、アルカリ剤の一種のこと。重曹は微アルカリ性なのですが、セスキ炭酸ソーダはそれよりもアルカリ度が高く、酸性物質を分解する力に優れています。
カンタンに言えば、皮脂汚れ等のタンパク質が多いシミを落とすのが重曹よりもさらに得意というわけです。
セスキ炭酸ソーダを上のシミ抜き方法の「重曹」から切り替えて少量パラパラと振りかけておけば、漂白剤の力がもっとアップしますよ。
セスキ炭酸ソーダはどこで買える?
セスキの激落ちくん 粉末タイプ 1kg (セスキ炭酸ソーダ)
セスキ炭酸ソーダは、次のようなお店で取り扱いがあります。
- 薬局・ドラッグストア
- 100円均一ショップ
- ホームセンター
- 量販店 等
価格は100gあたり100円前後です。1回の使用量が少しなので、コストパフォーマンスは抜群と言えます。お洋服にタンパク系のシミ(皮脂汚れや血液汚れ等)を付けてしまうことが多い人は、セスキを準備しておいてソンはありません。
皮脂汚れのシミ抜き要らずの「予防対策」
上の皮脂汚れの落とし方で汚れをキレイに落とすことができても、毎回黄ばみになってからシミ抜きをするのは手間ですし、何より洋服も傷んでしまいますよね。
皮脂汚れの落とし方の次には、皮脂汚れを溜め込まないための予防法も覚えておきましょう。
夏やスポーツ後の洗濯物は当日に!
皮脂汚れは時間が経つと表面が固まって、取れにくい汚れになっていきます。夏の暑い時やスポーツ等で汗をかいた時には衣類に皮脂汚れがたまりやすいですから、汚れた衣類はできるだけ早く洗濯しましょう。
襟汚れ防止スプレーをかける
染めQテクノロジィ えり・そで口もう汚れない 内容量100ml エリソデグチモウヨゴレナイ100ml
特に衣類の摩擦が起きやすい袖口や衿には、汚れ防止専用のスプレーをかけておくと効果的です。
ベビーパウダーをつける
白い衣類の場合、汚れやすい箇所にベビーパウダーをはたいておくと皮脂汚れが付きにくくなります。
おわりに
自宅でできる皮脂汚れの落とし方は、基本的にどれも「普段着向け」のものであり、デリケートなオシャレ着等には向いていません。
コートやジャケット・ドレス等の袖口に黄ばみや黒ずみを発見した場合には、できるだけ早めにクリーニング専門店に相談をしましょう。時間が経つほど汚れは落ちにくくなるので、専門店に持ち込むのも早めが良いですよ。