簡単 染み抜き クリーニング方法

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デニムの色移りを落とす方法は?失敗しない注意点も!

デニムの色移り

ジーンズやダンガリーシャツ等のデニム製品は、様々なコーディネートに使える便利なアイテム。でもデニムは他の服に色移りしやすいのが困りものですよね。「白いTシャツや薄色のトップスにデニムを色移りさせてしまった!」…こんな経験、お持ちの方は多いのではないでしょうか。

デニムの色移りは、一定のコツさえ掴めばご家庭でも比較的スムーズに落とすことができます。ただし洋服の種類によっては、デニムの色移りが落としにくいこともあるので要注意です。

ここではデニムの色移りの落とし方について、またデニムの色移り落としで失敗しないポイントを詳しく解説していきます。

デニムの色移りの落とし方

インディゴ

ジーンズ等のデニム素材の色移りの原因は、インディゴ(藍)という染色素材にあります。

このインディゴは独特の深みのある藍色が出るのが魅力なのですが、摩擦に弱いのがデメリット。

そのため擦れやすいウエスト部分やバッグ等と触れる部分では、色移りが起きやすくなるのです。

このようなデニムの色移りを落とすということは、インディゴ(藍)によってできたシミを抜くということ。インディゴ(藍)を分解させるパワーを最大限に発揮できる洗濯方法を選べば良いというわけですね。

デニム色移りの落とし方のコツ

できるだけ早くしみ抜きする:染料であるインディゴは、繊維への定着力が強く早いです!色移りを見つけたら、できるだけ早くシミ抜きに取り掛かります。

アルカリ性の洗剤を使う:インディゴはアルカリ性で分解しやすくなります。シミ抜きには弱アルカリ性の洗濯用合成洗剤、または粉石けんを使用しましょう。使用量を増やして、更に洗浄力をアップさせます。

粉末タイプの酸素系漂白剤を加える:パウダー状の酸素系漂白剤は、過炭酸ナトリウムが主成分。液体タイプの漂白剤より漂白力が強い上に、弱アルカリ性なのでインディゴの分解にも優れています。

高温のお湯を使う:酸素系漂白剤は、50℃~60℃のお湯を使うことで漂白力がググっとパワーアップします。ガンコなシミであるデニムの色移りを取るには、この温度のお湯を使うのが最適!というわけです。

【用意するもの】

  • 洗濯用合成洗剤:粉末タイプが洗浄料が強く理想的
  • 酸素系漂白剤:粉末タイプ
  • 洗面器またはバケツ
  • フタまたはラップ

【デニムの色移りの落とし方の手順】

  1. 洗面器またはバケツに、50℃~60℃のお湯を入れます。給湯器等で60℃のお湯が作れない場合には、沸騰させたお湯に同量の水を入れると約50℃のお湯が作れます。
  2. バケツのお湯に洗濯用洗剤を入れます。使用説明書に書いてある適量の、2倍~3倍を入れましょう。よく混ぜて十分に洗剤を溶かします
  3. バケツにさらに酸素系漂白剤を適量入れます。使用量は製品の裏の使用説明書を確認しましょう。
  4. 色移りしてしまった衣類をバケツに全体的に漬け込みます。
  5. バケツにフタを乗せるか、上からラップをかけます。こうすることでお湯の温度が下がるのを防ぎます。
  6. 30分~60分程度放置します。途中で一度バケツから衣類を出して、色が落ちているかチェックしてみましょう。
  7. デニムの色落ちが目立たなくなっていたら、そのままお湯ごと洗濯機に入れて、洗濯をします。この際にも、お湯の温度は40℃~50℃程度のものを使うのが理想的です。
  8. 洗剤の量が多いので、すすぎの回数は通常の2倍~3倍以上に増やしましょう。
  9. すすぎが終わったら、明るい場所でもう一度色落ちが取れているかチェックします。色残りが見られる場合は、もう一度1)~6)を行います。
  10. 完全にデニムの色が取れていることが確認できてから、自然乾燥をさせます。

 

デニムの色落ちの落とし方が使えないことも?

「色落ちが起きた!」と気づいてすぐであれば、上の方法でデニムの色移りはほぼ落とすことができるでしょう。しかし、洋服の素材や種類によっては上で紹介した「デニムの色移りの落とし方」が使えない場合があります。

水洗いができない服にはNG!

上で紹介した「デニムの色移りを落とす方法」は、水洗いができることを前提としています。

製品の洗濯表示で「水洗いNG」「ドライのみ」という表示がある場合には、自宅でデニムの色移りを落とすことはできません。

高温のお湯が使えない服にはNG!

次のような素材で作られた服は、50℃~60℃のお湯を使うと縮んでしまう可能性が高いです。

【素材・織り方の例】

  • ニット素材
  • リネン(麻)
  • キュプラ 等

洗濯タグの「洗濯表示」を確認し、40℃までと温度設定がされている場合には、使用するお湯の温度は40℃以下に設定しましょう。

また、次のような特殊加工がある場合にも50℃~60℃の高温のお湯は使用しないでください。特にプリント加工がされた衣類を高温のお湯で洗うと、ひび割れや剥離が起きやすくなります。

【特殊加工の例】

  • プリントがある(Tシャツ等)
  • ゴム部分がある
  • レース部分がある
  • 刺繍がある
  • ビーズ・スパンコール縫い付けがある
  • フリルがある 等

なお温度設定が40℃以下となる場合、漂白剤のパワーが落ちるため、インディゴの色移りが十分に取り切れない可能性は高くなります。

酸素系漂白剤が使えない服もある?

次のような衣類には、粉末型の酸素系漂白剤は使うことができません。

【NG素材の例】

  • ウール
  • シルク
  • カシミヤ
  • アンゴラ 等

原則として動物系の素材への使用はすべて不可と考えてください。ウール等に弱アルカリ性の酸素系漂白剤を使うと激しく縮んでしまい、元に戻らなくなってしまいます。

【金属が付いている服】

  • 金属ボタン
  • 金属フック 等

銅や真鍮等の金属製品に粉末型の酸素系漂白剤を使用すると、変色や腐食が起きてしまいます。また金属部分が触れている部分の布も変色し、戻らなくなってしまうことも。

「デニムの色移りの落とし方」では衣類全体を浸け置きしてから洗濯機洗いをします。そのため、部分的にでも金属の部品が付いている場合には、残念ながら「デニムの色移りの落とし方」はご利用いただけません。

天然染色の服はNG!

今回ご紹介しているデニムの色移りの落とし方では、天然染色である藍染(インディゴ染め)を分解するような洗浄力・漂白力のある洗浄方法を用いています。ということは…汚れを落としたい方の衣類が「天然染色」の場合、デニムの色移りが落ちるだけでなく、衣類の元々の色が色落ち・色抜けしてしまう可能性があるということです。

【天然染色の例】

  • 草木染
  • ミョウバン染
  • よもぎ染め
  • びわ染め
  • 柿渋染 等

またインド綿等の一部の色落ちしやすい素材・染色、生成り色や薄ピンク等の淡い色合いの服でも、「合成洗剤+酸素系漂白剤」の使用は避けた方が無難です。激しい色落ちが起きたり、変色が起きる可能性があります。

時間が経った色移りはNG!

今回の方法で治せる色移りは、原則として「色移りに付いた当日」程度のものです。

  • 色移りが起こってから何日も経過したもの
  • 染料が乾いてしまっているもの
  • 一度雨等で濡れてから乾かしたもの
  • 一度選択して乾燥させたもの
  • アイロンをあてたもの

上のような状態のデニムの色移りは、自宅では落とすことができません。早急にシミ抜きに強いクリーニング店に相談することをおすすめします。


おわりに:大切な衣類はクリーニング専門店へ

今回ご紹介したデニムの色移りの落とし方が向いている衣類の特徴をまとめれば、真っ白な無地のTシャツのような「普段着」と言えるでしょう。

反対にシルクやウール等を繊細な素材を使っていたり、縮むことを避けたい「おしゃれ着」は、自分でできるデニムの色移りの落とし方には不向きです。

「これは絶対に縮ませたくない、失敗したくない」という大切なおしゃれ着については、ムリに自分でデニムの色移りを治すより、プロのクリーニング専門店に相談した方が無難です。

なお専門店の場合でも「対応が早い方が色移りが直しやすい」というのは同じ。「どうしようかなあ」と迷ったら、早めのプロへの相談が一番です。