『UGG』等に代表されるムートンブーツは、ここ数年の冬ファッションの定番アイテム。でも「大切なムートンブーツに雨染みを作っちゃった」「水シミがどうしても取れない!」等、ムートン素材にできた雨・雪等によるシミに困っているという人はとても多いようです。
今回はこのムートンブーツの水シミ・雨染みのお手入れ方法を詳しく解説していきます。
ムートンブーツの雨ジミ・水シミを取るお手入れ
そもそもムートンにはなぜ雨染み・水シミが付きやすいのでしょう?それはムートンの「起毛」の流れが、濡れた部分だけ収縮して変わってしまうため。ムートンは羊の毛皮の裏を加工し、スエード状に起毛させて仕上げられています。
起毛した繊維はコイルスプリングのようにねじれていて、撥水性はかなり高めです。しかし一度水が染み込むと、その部分だけが一時的に縮んでしまいます。そのまま乾かすと縮んだ部分だけ光のあたり方が違い、汚れが付いたわけではないのに「シミ」ができたように色味が変わって見えてしまうのです。
ではムートンブーツの雨染みはどうしたら取れるのか?というと、その対策は意外とカンタン。ムートンに全体的に適度に水分を与えてあげれば、繊維の状態が均一になり、シミが目立たなくなります。
ただし「とにかく濡らせばOK」というものではありません。以下のような手順で、ムートンブーツの雨染みを取っていきましょう。
用意するもの
・新聞紙:2~3枚
・ムートンブーツお手入れ用のブラシ:天然の馬毛ブラシが理想的
・メイン素材:馬毛
・原産国:台湾
ムートンブーツの雨染み・水シミの取り方
- シミのある箇所・状態をチェックします。
- 布またはタオルを水に着けて、固く絞ります。
- シミの部分をまず布でトントンと叩いて、汚れが多少取れるようであれば汚れを布に移していきます。ゴシゴシとこするのはNGです。
- 布・タオルを取り替えて、再度濡らして固く絞ります。こちらの布でシミのある部分以外を叩き、軽く水分を与えていきます。パーツごとに縫い合わされているタイプのムートンブーツの場合、シミがある箇所が1パーツのみであればその部分だけを濡らせばOK。反対にアッパーが一体型であったり、ソール等の甲部だけでなく筒部にまでシミがある場合には、ムートンブーツ全体に水分を与えてください。
- シミ部分と周囲の違いがわからない程度に水分を与えたら、ブーツの中に新聞紙を詰めて形を整えます。
- ベランダ・庭先等の直射日光の当たらない場所で、十分に陰干しをします。
- ムートンブーツが乾いたら、お手入れ用のブラシで毛流れを整えます。
※ムートンブーツをビショビショに濡らしすぎるのは厳禁です。あくまでも軽く水分を与えるようにしましょう。
※陰干しは十分に行い、与えた水分を飛ばしましょう。乾燥が不十分だと、ムートンブーツにカビが生える原因になります。
※上記の工程でムートンブーツの雨染み・水シミが取れない場合、2)~7)のプロセスをもう1回繰り返してみましょう。
次回のお手入れをラクに!雨染み・水シミの予防対策
ムートンブーツの雨染み・水シミは、上記のお手入れ方法で意外とカンタンに目立たなくさせることができます。でも雨が降った日のたびにこのお手入れをするのは大変ですよね。
今度から何度もムートンブーツの雨染みのシミ抜きをしなくても良いように、シミ抜き後には予防対策も覚えておきましょう。
スエード・ムートン用の防水スプレーは必須!
ムートンブーツのお手入れ回数を大幅に減らしてくれるのが、防水スプレーの存在です。全体的にスプレーを吹きかけて乾かすだけでOKですし、2~3週間に1回程度スプレーする程度の頻度でもOK。特にミネトンカやUGG等の高級ムートンブーツを買った人にはマストなアイテムと言えるでしょう。
ただし一般的な「皮革用の防水スプレー」はムートンには使えないので要注意!起毛タイプの皮革であるムートンには、起毛独特の風合いを失わないように、「スエード・ムートン用の防水スプレー」を準備しましょう。
ムートン用の防水スプレーは、コロニルやスコッチガード等のシューケア用品ブランドの他、UGG等のシューブランドでも販売されています。
・原産国/地域: 日本
・メイン素材: フッ素樹脂、石油系炭化水素
・表地: 合成樹脂
・商品サイズ (幅×奥行×高さ) :66×66×215mm
・内容量:420ml
・用途:ツヤ革・起毛革(スエード・ヌバック等) 天然皮革の靴及び、その他皮革製品や布地・人工皮革等の靴及びその他製品にご使用いただけます。
ティッシュペーパー等で応急処置!
「防水スプレーをかけるのを忘れて、出先でムートンブーツを濡らしてしまった…」こんな時には、そのままムートンブーツを乾かしてしまうのはNG。
濡れて色が濃くなっている部分の水分を、ティッシュペーパー等で抑えてできるだけ吸い取りましょう。
帰宅したらすぐに、乾いた布(汚れも良いもの)でよく叩いて水気をさらに取ってから自然乾燥させてください。この一手間をやるかやらないかでも、ムートンブーツの雨染みの程度が変わってきます。
ムートンブーツの雨染み・水シミが取れない時には?
上記でご紹介したムートンブーツの雨染みのお手入れを2回繰り返してみても、ちっとも雨染み・水シミに変化が見られなかった…この場合、以下のような可能性が考えられます。
泥汚れ・その他の汚れが混じっている
・シミとそうでない箇所の境目の部分の色が特に濃い
・外出時に水たまりを踏んだかもしれない
・大雨・大雪時にムートンブーツを使用した
・公園等の土の部分を歩いた
上記のような場合、水たまりに泥や自動車の油等が混じっていて、それらの汚れが雨染みと一緒に染み込んでいる可能性が考えられます。
単なる「水濡れによる水シミ」ではなく、「泥はね」「油ジミ」といった何らかの『汚れ』が付着している状態というわけです。
この場合、まずは汚れの原因を特定して、その汚れを分解できる洗剤・溶剤を使ったクリーニングを行う必要があります。
ムートンブーツは自宅ではクリーニングができませんので、皮革クリーニング・靴クリーニングの専門店に相談をしましょう。
カビが生えている
・緑色・青色・黒色等のポツポツとした変色がある
・ムートンブーツからホコリっぽいようなニオイがする
上記のような場合、ムートンブーツに雨染み・水シミができた時の乾燥が十分ではなく、カビが生えてしまっている可能性が高いです。
カビ菌は繊維の奥にまで根を張るため、一度発生すると自宅では根絶することができません。またカビの種類や繁殖状態によっては、皮革を変色させてしまうこともあります。
皮革製品(靴やカバン)を扱えるクリーニング店で、「カビ取りクリーニング」が可能かどうかを相談してみることをおすすめします。
カビは放置しておくとどんどん繁殖してしまいますので、早めに専門家に対策を依頼しましょう。
おわりに
ムートンブーツの雨染み・水シミのお手入れ方法や注意点はいかがでしたか?「予防のために防水スプレーなんて面倒だな」と感じた方も多いかもしれません。
しかし、例えば人気の『UGG』の本拠地であるオーストラリアは、地球上で最も降水量が少ない大陸。つまり日本に比べて雨がふらない土地で生まれたブーツなので、「あまり雨仕様ではない」という製品も珍しくないんです。
降水量も多く、さらに湿度の高い日本では、ムートンブーツに雨染み・水シミができやすいだけでなく「カビ」を発生させる可能性も高い…というわけですね。
大切なムートンブーツを長くキレイに履くためにも、雨染み・水シミのお手入れ後には予防対策をしっかりしておくことをおすすめします!
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【くつリネット】 https://www.kutsulenet.jp/
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注文の流れ
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