湿度の高い日本では、洗って保管していたた衣類でもカビが発生してしまうことがありますね。衣替えの時期等に白っぽい綿埃のような白カビ、またシミのような青カビ・黒いカビ等を発見して「しまった…」という経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか?
カビのシミは発見したら放置せず、早いうちに対処を行うことが大切です。ここではカビの種類に合わせた二通りの染み抜き方法をご紹介していきます。
白カビへの対処法
白カビは、衣類についたカビの中では比較的落としやすい種類に入ります。
しかし表面を払っただけで対処を終わらせてしまうのはNGです。
繊維の奥に入ったカビが再度発生しないよう、きちんとした対処を行いましょう。
用意するもの
・服ブラシ
・ティッシュ
・洗濯用洗剤(中性のもの)
注意点
・カビを払う際には必ず屋外で作業しましょう。屋内で作業を行うとカビが室内飛散してしまいます。
・天候が良い日を選びます。
・濃色染めの場合、日焼けによる変色を起こす可能性があります。
シミ抜き手順
- カビの発生量が多い場合には、まずティッシュ等で表面のカビを払います。
- 歯ブラシでカビ発生部分を優しく叩き、繊維の奥のカビを落とします。
- 服ブラシでもう一度ブラッシングを行います。
- 日当たり・風通しの良い場所で日光に長めに当て、全体を殺菌します。
- 洗濯用洗剤で衣類全体をよく洗い、もう一度よく乾燥させます。
青カビ・黒カビへの対処法
青カビ(緑カビ)・黒カビの場合には払うだけで落とすことができません。
過酸化ナトリウムが配合された酸素系漂白剤を使って殺菌漂白を行うのが効果的です。
酵素系漂白剤の殺菌力を強めるために、漂白時には熱めのお湯を使用します。
用意するもの
・洗面器等の容器(衣類に合わせて大きさを変えます)
・容器をフタできるもの(ラップでも代用可)
・歯ブラシ(使いふるしのもの)
注意点
・衣類の素材・染色によっては変色・色抜け・柄滲みを起こす場合があります。必ず目立たない場所で変色や色移りのテストを行いましょう。
・ファスナー・金ボタン等の金属類が付いた衣類は金属部周辺が変色を起こすため、この対処法は使用できません。
シミ抜き手順
- ポットや鍋でお湯を沸騰させ、容器の1/3程度に注ぎます。
- 容器の2/3程度にまで水を入れます。沸騰した湯(100℃)と同量の水を入れることで約50℃の高温湯ができます。
- お湯に酸素系漂白剤を適量入れます。使用量については説明書を確認しましょう。
- 衣類全体をお湯の中に漬け込み、容器にフタをします。
- 30分~1時間程度漬け置きをします。途中でお湯が冷めてしまった場合には、もう一度50℃のお湯に漂白剤を入れて、漬け直しましょう。
- 放置時間を過ぎたら状態をチェックします。綿・麻等の丈夫な繊維の場合には、歯ブラシを使って軽く叩くように洗ってもOKです。
- カビの色が目立たくなっていたら、洗濯機洗いもしくは手洗いで仕上げ洗いを行います。
- 日当たりの良い場所でよく乾燥させます。色焼けしやすい濃色製品の場合には、陰干しを長めに行うようにしましょう。
おわりに
自宅でカビのシミに対処するには、長時間の日光消毒、高温を使った漂白作業等が必要です。ケースによっては染み抜き作業によって、生地や衣類にダメージが生まれてしまう可能性があります。
- カビの発生範囲が広い
- 水洗いができない製品である
- シルク・正絹等のデリケート素材でできている
- 高温で縮みやすいウール等の素材である
- 黒・紺色等の濃色系染めである
- カビの発生時期がわからない(古いカビである)
上記のような場合には無理に自宅処理を行わず、クリーニング専門店に依頼をした方が安心です。