簡単 染み抜き クリーニング方法

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過酸化水素水はシミ抜き・黄ばみ落としの便利グッズ?上手な使い方と注意点


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過酸化水素水とは、水素に酸素を化合させた水溶液のこと。「昔、理科の実験で使ったことがある…」と、学校時代の記憶を思い出す人も多いのではないでしょうか?実は過酸化水素水は、お掃除やシミ抜き等、家庭内でも便利に使えるアイテムなんです。

過酸化水素水にはその用途によって濃度3%程度のものから90%近いものもあります。日本の薬局で販売されているのは濃度2.5%~3%程度の過酸化水素水溶液で、名前は「オキシドール」として販売されています。

ドラッグストア・薬局等で100円~200円程度で購入できるので、初めて使う人も気軽に挑戦できますね。今回は過酸化水素水を使ったシミ抜き方法についてご紹介していきましょう。

過酸化水素水でタンパク質汚れを分解!

過酸化水素水(オキシドール)は、タンパク質を分解する作用が非常に強いのが特徴です。そのため様々な汚れの中でも、特に以下のような汚れ・シミに対する漂白剤として使用されます。

・シャツの襟汚れ、手首の汚れ(黒ずみ)
・ショーツ・パンツ類の黄ばみ
・赤ちゃんの衣類の母乳汚れ
・血のシミ、血液汚れ
・乳製品の汚れ
・手垢等による汚れ 等

特に元地が白いシャツやTシャツ、肌着類、シーツ等のリネン類、テーブルクロス等に使うと効果的です。また白いキャンバス地の小物や靴等の黄ばみにも効果を発揮します。

 

過酸化水素水でのシミ抜き方法

用意するもの

・過酸化水素水(濃度3%オキシドール)
・アンモニア水
・スプレー容器(霧吹きタイプのもの)
・洗濯用中性洗剤
・ゴム手袋
・メガネ・ゴーグル
・タオル

※過酸化水素水でシミ抜きを行った後には、必ず水洗いのプロセスが必要です。水洗いができない製品には過酸化水素水は使えません。洗濯表示をよく確認しましょう。
※過酸化水素水は、脱色を起こしやすい製品です。濃い色の製品、天然染め製品等の場合、多大な色抜けや色落ち、色移りを起こすことがあります。必ず事前に目立たない箇所に薄めた溶液を付け、色抜け・色移りが起こらないか確認テストを行いましょう。

シミ抜きの手順

  1. 作業をする前に部屋の窓を全部開けるか換気扇を回して、部屋の通気を良い状態にします。過酸化水素水の強い金属臭が立ち込めるのを防ぎましょう。
  2. ゴム手袋をはめ、できればメガネをかけて目を保護します。
  3. 過酸化水素水を適量スプレー容器に入れ、2~3倍になるまで水道水で薄めます。
  4. アンモニア水を数滴入れて、全体を振り、よく混ぜます。
  5. 衣類のシミがある部分の裏側にタオルをあてておきます。
  6. 汚れが気になる部分に溶液をスプレーします。シミの範囲が小さい場合には、古い歯ブラシ等を使っって、シミ部分のみに溶液を塗ってもOKです。
  7. 10分~20分程度放置し、汚れの浮き具合を確認します。汚れが取り切れない場合にはもう一度溶液をスプレーします。
  8. 汚れが取れたら、中性洗剤で全体を手洗い、もしくは洗濯機洗いして仕上げます。すすぎは2回以上行ってください。
  9. 乾燥は乾燥機を使用せず、脱水+陰干しで仕上げます。直後にはアイロンは行いません。

※オキシドールをそのままの濃度で使用するのはNGです。変色・褪色しやすい他、生地がダメージを受けやすくなります。
※過酸化水素水の成分が残った状態で乾燥機やアイロン等で熱を加えると、脱色・変色等が起こることがあります。必ず陰干しで乾燥させましょう。
※薄めてアンモニア水を加えた溶液は熱等による膨張・爆発の恐れがあるため、使い残しを保管しておくことができません。使用する分だけを少量ずつ作るようにしましょう。
※オキシドールの瓶は、陽の当たらない場所・涼しい場所で保管するようにしましょう。暖かい場所・日の当たる場所での保管は過酸化水素を分解させてしまい、漂白力を失わせます。

 

過酸化水素水が使えないこともある?

黄ばみ汚れ・汗汚れ等によるシミに効果を発揮してくれる過酸化水素水。でも素材や汚れの状態によっては、過酸化水素水での漂白が行えないこともあります。

ウール・シルク…動物性製品はNG

過酸化水素水は、前述の通り「水洗いできない製品」には使えません。でも最近ではウールやシルク等でもウォッシャブル製品があるので、「これなら使えるかも」と思う人もいるはず。でも残念ながら、毛製品やシルク製品には過酸化水素水は使えないんです。

過酸化水素水は「タンパク質・アミノ酸」を分解する力に優れているのですが、これは人間の皮脂等の蛋白質だけでなく、動物性のタンパク質全てに対して効力を発揮します。ウール(羊毛)やシルク(蚕の繭)、カシミヤ(ヤギ毛)等を構成するタンパク質も壊してしまう…というわけですね。

過酸化水素水による脱色や繊維の変質等が起こった場合、それを元に戻すことはできません。毛製品やシルク(正絹)等のデリケート製品を無理に過酸化水素水で漂白するのは止めましょう。

古い黄ばみ汚れに要注意

クローゼットやタンスから出した白い服や浴衣・着物等に黄ばみがある…残念ながら、このような時には過酸化水素水を使わない方が無難かもしれません。古い黄ばみ汚れが広範囲に見られる場合、繊維に残った皮脂汚れの酸化は相当に進んでいる状態です。

酸化した皮脂汚れと衣類の色素も結びついて、ちょっとした刺激で剥がれやすい状態になっています。分解力の強い過酸化水素水を使うことで、汚れだけでなく色柄が一緒に剥げてしまう(色抜けを起こす)可能性が高いというわけです。

上記のような場合には、専門のクリーニング店に黄ばみ汚れのシミ抜きを依頼した方が良いでしょう。

 

おわりに

過酸化水素水でのシミ抜き方法はいかがでしたか?過酸化水素水はシミ抜きのほか、擦り傷等を作った時の消毒薬代わりとして、また口臭予防剤や足のニオイ取り等にも使うことができるアイテムです。ひとつあると家事の様々なシーンで役立ってくれるので、アンモニア水と一緒に常備しておくことをオススメします。