ハイブランドのバッグは「一生モノ」と思って購入する人も多いもの。でも末永くブランドバッグを使い続けるためには、キチンとしたお手入れをすることが大切です。
また正しいお手入れを行えば、クローゼットにしまったままになっているブランドバッグも「旬のバッグ」として使うことができますよ!
ここではブランドバッグをお手入れする時に知っておきたい4つのポイントについて詳しく解説していきます。
1.ブランド独自のお手入れアイテムはある?
ブランドバッグのお手入れを始める前に、まずはそのブランドの公式サイト・ホームページをチェックしてみましょう。
ブランドが推奨しているオリジナルのお手入れ用アイテムがあったりしませんか?
例としてイギリスのレザーグッズブランド『ホワイトハウスコックス(Whitehouse Cox)』を見てみましょう。同ブランドは製品にブライドルレザー(革に何度もロウを塗り込む製法)を使っています。ブライドルレザーはとても丈夫な革ですが、一般的なスムース革のようなお手入れができません。
そのため同ブランドではビーズワックスとホホバオイルを配合した「レザーバーム」、蜜蝋や獣油から作られた「ブライドルレザーフード」を使用することを案内しています。また日々のバッグのお手入れ法としては、「馬毛ブラシ」の使用が推奨されています。
上のようにブランドがメンテナンス用のアイテムを推奨している場合には、その方法でブランドバッグのお手入れをするのが一番安心です。
2.ブランドバッグの素材は確認できる?
ブランドバッグの公式お手入れグッズやメンテナンス方法がわからなかった場合には、バッグの素材を確認しましょう。
ブランドバッグの素材には次のような様々なものがあります。
ブランドバッグの素材例
・牛革(ガラス革)
・エナメル革/パテントレザー
・ブライドルレザー
・オイルレザー
・シュリンクレザー
・起毛革
・スエード・ヌバック
・山羊革
・クロコダイルレザー
・蛇革
・塩化ビニル樹脂 等
ブランドバッグを傷めることなくお手入れするには、素材に合ったメンテナンス方法を選ぶことが大切です。
例えばスエード皮革にスムース革と同じ方法でお手入れを行ってしまうと、独自の毛並みが失われてしまいます。
ハイブランドの場合、素材はバッグに付いてくる保証書等でも確認することができます。また購入年や型番等を添えた上で問い合わせれば、バッグの素材を教えてくれるブランドも。企業側の公式情報がもっとも確実なので、問い合わせをしてでも確認しておくことをおすすめします。
3.ブランドバッグの素材に合わせたお手入れを!
ブランドバッグの素材がわかったら、それぞれの素材に合わせたお手入れをしましょう。ここではブランドバッグの代表的な素材であるレザー(スムース皮革)と、パテントレザー(エナメル皮革)のお手入れ方法をご紹介します。
スムースレザーバッグのお手入れ方法
【用意するもの】
・皮革用栄養クリーム
・柔らかい布 2~3枚
・皮革用ブラシ(馬毛等、毛質の柔らかいもの)
・防水スプレー(あれば)
【お手入れ方法】
- 皮革用ブラシで全体を軽くブラッシングし、ホコリを落とします。特に取っ手の周辺やファスナー周辺等はホコリがたまりやすいので、ていねいにブラッシングをしましょう。
- 柔らかい布にクリーナーを付けて、バッグ皮革部の全体に塗り拡げます。拭くようにしながら汚れを取り除いていきます。
- 別の布に栄養クリームを付けて、バッグ皮革部の全体に塗り拡げます。
- 布の乾いた部分で十分に磨くように拭きます。
- 風通しの良い日光の当たらない場所で、十分に乾燥させます。
- 皮革用の防水スプレーをかけて仕上げます。
注意点
・加工や染色によっては、皮革専用クリーナーで色落ち・変色等が起きる可能性があります。初めてのクリーナー・バッグの組み合わせでは、必ず少量を底面等の目立たない場所に塗り、変色が起きないかどうかテストを行いましょう。
・防水スプレーをかける作業は、ベランダ・庭などの屋外で行ってください。
エナメルバッグのお手入れ方法
【用意するもの】
・柔らかい布
・ネル布
・柔らかいブラシ(皮革専用ではなく、衣類用・フェイスブラシなどでもOK)
【お手入れ方法】
- 柔らかいブラシで、ブランドバッグ全体を優しくブラッシングしてホコリを落としていきます。特にクロコ風のシワや溝があるデザインの場合、それらの部分をていねいにブラッシングしてホコリを落としましょう。
- 柔らかに布にエナメル専用クリーナーを適量出して、ブランドバッグの皮革部全体に塗り拡げます。
- ネル布を使って、バッグを磨いてツヤを出していきます。
注意点
・エナメルバッグにはスムース皮革用のクリーナーや栄養剤は使用できません。必ずエナメル専用のクリーナーを使いましょう。
・ホコリが残ったままブランドバッグのセルフクリーニングを始めると、エナメル表面に傷を付けてしまうことがあります。必ず最初にブラッシングを行い、ホコリを取り払ってください。
・エナメル皮革にひび割れが起きている場合は、無理にセルフケアをせず、早めに専門店に修理・修復を依頼しましょう。ひび割れた状態のままでケアを続けると、傷口が深くなる恐れがあります。
お手入れは1ヶ月に1回!
クリーナーを使った上記のお手入れは、頻繁に使うブランドバッグの場合には1ヶ月に1回程度のペースがおすすめ。フォーマル用等の登場回数が少ないバッグの場合も、ワンシーズンに1回はお手入れをしてあげましょう。
よく使うブランドバッグの場合、帰宅をするたびにサッと柔らかい布で拭いてホコリを取っておくことも大切。ホコリが溜まりにくくなりますし、汚れが付いていないかどうかのチェックも早くなります。
4.落ちない汚れはブランドバッグ対応クリーニングへ
次のようなブランドバッグの汚れについては、残念ながら自宅でのお手入れではキレイにすることが難しいです。
【落とせないバッグの汚れ例】
・水性の汚れ:雨染み・水シミやワイン等によるシミ
・顔料による汚れ:ボールペン等のインクによるシミ等
このような汚れが付いてしまっている場合には、無理にセルフケアで汚れを取ろうとせず、クリーニングに依頼をしましょう。またバッグに傷やひび割れ等ができている場合も、早めに修復を依頼した方が料金も安く済みます。
ブランドバッグOKのクリーニング店を
バッグや靴等の皮革製品をクリーニングするお店でも、「ハイブランドのバッグはNG」とするケースは珍しくありません。これはブランドバッグのデザインや加工が特殊であったり、減価償却をしても補償がしきれない場合があるためです。
ハイブランドのバッグをクリーニングする場合には、対応ブランドが明記されていたり、ブランドバッグのクリーニング実績を表記しているお店を選ぶようにしましょう。
おわりに
汚れの種類を問わず、ブランドバッグに付いた汚れは「早めに落とす」ことが大切です!対応が早ければ早いほど汚れをラクに落とすことができ、バッグへのダメージも防ぐことができます。
ブランドバッグをクリーニングに出す場合も同じです。「汚れがある!」と気づいたら「そのうちに…」と思わずに早めにクリーニングに出しましょう。