「ユリの花粉のシミ、普通のシミ抜き剤では全然取れない!」「ワイシャツに付いた花粉が染み抜きしても取れなくて、泣く泣く捨てた…」こんな経験がある人、多いのではないでしょうか?花粉類のシミはとてもガンコで、通常の洗濯方法で落ちないのはもちろんのこと、強い洗剤や漂白剤等でもなかなか落とすことができません。
でもちょっとしたコツを知っているだけで、ガンコな花粉の染み抜きが意外とラクにできちゃうこともあるんですよ。
今回はゆり等の花粉の染み抜き方法を、4つのパターンに分けてご紹介していきます。
出先で花粉が付いた時の応急処置は?
パーティーで飾られているフラワーアレンジメントや公園の野花によって、知らないうちにワイシャツ等の衣類に花粉が付いてしまっていた…こんなアクシデントって意外とありますよね。
外出先で花粉が付いてしまった時には、以下のような応急処置で対処をしましょう。
乾いたティッシュでつまむ
花粉のシミが付いた時に最も大切なのは、とにかく「濡らさない」ということです!花粉は、水分を含むことで色素が繊維にしっかりと定着してしまいます。
特にユリ等の花粉類は、天然の染色剤に使われるくらい色素が強いんです。そのため、おしぼりやウェットティッシュ等を使うのは絶対にNGなんですね。
また「手で払う」というのも、避けた方が無難です。花粉の多くは虫の足に付きやすいように粘着度が高く、ベタベタとしています。手で大雑把に払うとますます花粉のシミ範囲を広げてしまう可能性が大!
ただ花粉がたっぷりと付いてしまった場合には、表面の花粉だけでも取っておきたいですよね。この場合には、乾いていることが確実なティッシュペーパーで作業を行います。
用意するもの
作業手順
- 衣類の表側から作業をする場合は、ティッシュを使って表面の花粉を摘み取ります。ティッシュを押し付けず、優しく払うように取ることが大切です。
- トイレ等で衣類を外すことができる場合には、裏側から衣類を軽く弾くように叩いて、繊維の奥に詰まった花粉をできるだけ落とします。
※花粉が落ちない場合には、それ以上無理に花粉を払わずに帰宅してから染み抜きを行います。
※強くシミ部分をこする。抑えるのはNGです。シミが固定されて落ちなくなります。
テープで花粉を取る
オフィス等で文房具類が使える!という場合には、花粉のシミ取りに「テープ」を使ってみましょう。
用意するもの
作業手順
- テープを適当な長さに切って、輪の状態を作ります。
- キレイな部分をシミに当てて、テープの粘着力で花粉を剥がします。
- 常にテープのキレイな部分がシミに当たるように、テープを動かしていきます。
- どんどん新しいテープの輪を作って、できるだけ花粉を取り去ります。
※一度使ったテープを繰り返し衣類にあてないでください。シミが拡大してしまいます。
顕微鏡で見たユリ花粉 Plan20x&nikon1 深度合成&トリミング pic.twitter.com/58hREM4C7X
— ちむら (@chimura_) 2017年10月5日
ユリ花粉の染み抜きで「掃除機」が大活躍!
特に粘着力が強いユリ等の花粉は、上記のようなティッシュ・テープでは落としきれないことがあります。こんな時に活躍してくれるのが「掃除機」!掃除機のパワーで花粉を繊維から剥がし、吸い込んでしまいましょう。
用意するもの
・輪ゴム
・ガーゼもしくは古い布
作業手順
- 掃除機の細いノズル部分にガーゼをかけて被せます。
- 輪ゴムで先端をくくって、ガーゼを固定します。
- 衣類を広げておきます。
- 掃除機を「弱」設定にして、ノズルをシミ部分にあてます。
- 数秒間吸い込んで様子を見て、花粉が取り切れない場合には掃除機の強さを調整します。
※着物やドレス等のデリケートな製品の場合、掃除機の吸い込みで衣類にシワができる可能性があります。他の衣類等で吸い込みの力のテストをしておいた方が安心です。
※シルク・シフォン・刺繍部分・レース部分等のデリケート製品の場合、「強」設定で生地が破れる・痛む恐れがあります。「弱」設定で花粉が取れない時にはそれ以上の強度に調整をせず、専門店に依頼をすることをおすすめします。
それでも落ちない花粉にはエタノールorベンジンを
掃除機で吸い込んでも、黄色っぽい花粉のシミが残ってしまった…この場合には、エタノールかベンジンでシミを溶かしていきます。
用意するもの
・タオル
・ガーゼもしくは古い布
作業手順
- 衣類を広げて、シミ部分の裏にタオルをあてておきます。
- 布にエタノールを染み込ませます。
- 染み込ませた布でシミ部分を軽く叩き、汚れを布へと移しとっていきます。強く擦らないように気をつけましょう。
※エタノール・ベンジンを使用すると、素材・染色によっては色落ち・色ハゲが起こることがあります。必ず目立たない場所でテストを行いましょう。
※エタノール・ベンジンは揮発性です。作業時には必ず窓を開けて換気してください。また作業中の火器類の使用は厳禁です。
※エタノールやベンジンを染み込ませた衣類が乾かないうちに、掃除機等にかけるのは厳禁です。機械類呼称の原因となります。
おわりに
繰り返しになりますが、花粉類のシミが付いた時に大切なのはとにかく「濡らさない」「水洗いをしない」ということです。一度水洗いをしてしまったシミの場合、クリーニング専門店でもなかなか取れない…という可能性も出てきます。
掃除機で花粉のシミが落ちきらない、ベンジン等を取り扱うのはちょっと不安…そんな場合には、無理にご自宅で作業をせず、早めにクリーニング専門店に依頼をしましょう。
この時、「花粉のシミである」ということ、おわかりになる範囲で花の種類等を良い添えておくと、より適切な対処をしてもらえますよ。