新型コロナウイルス(covid-19)の感染を防ぐ対策として大切なのが「手洗い」と「消毒」ですね。
しかしコロナウイルス対策となる消毒液は全国的に品薄で、なかなか手に入らない状態です。消毒用アルコール等が買えない状態が続き、お困りの方も多いのではないでしょうか。
新型コロナウイルス対策では、消毒液の代用に或る種の洗剤を使うことが可能です。ここではコロナ消毒液の代用となる洗剤の種類や選び方、また使用時の注意点について、詳しく解説をしていきます。
- コロナ消毒液の代用に「次亜塩素酸ナトリウム液」
- 次亜塩素酸ナトリウム液とは「塩素系漂白剤」
- コロナ消毒液の代用になる洗剤の選び方
- コロナ消毒液代用洗剤(塩素系漂白剤)の使い方
- コロナ消毒液代用洗剤(塩素系漂白剤)の注意点
- おわりに
- 追加情報:新型コロナは「ジョイ」「ママレモン」でも除去できる
コロナ消毒液の代用に「次亜塩素酸ナトリウム液」
【新型コロナウイルス対策 厚生労働省】
https://www.mhlw.go.jp/content/000617981.pdf
新型コロナウイルスの対策として、厚生労働省は次のような「身の回りを清潔にする対策」を推奨しています。
2)身近なものの消毒には次亜塩素酸ナトリウム液
特に次亜塩素酸ナトリウム液による消毒はアルコール消毒よりも有効であるとされています。ドアノブや手すり、食器等、私達が日常生活で使うものの消毒には次亜塩素酸ナトリウム液がピッタリというわけです。
コロナ対策消毒液の代用としては、「次亜塩素酸ナトリウム液」がもっとも良い存在と言えるでしょう。
次亜塩素酸ナトリウム液とは「塩素系漂白剤」
コロナ消毒液の代用となる「次亜塩素酸ナトリウム液」は、実は身近な洗剤として販売されています。台所用品の漂白や消毒、また衣料の漂白剤に用いる「塩素系漂白剤」が、次亜塩素酸ナトリウム液なんです。代表的な商品名を挙げてみますね。
・花王キッチンハイター:キッチン用品等の消毒・除菌剤
・カネヨブリーチ:白物衣類の漂白・除菌・除臭用の塩素系漂白剤
・カネヨキッチンブリーチ:キッチン用の塩素系漂白剤
・ブリーチ(ミツエイ):白色衣料用漂白剤
・キッチンブリーチ(ミツエイ):台所用塩素系漂白剤
コロナ消毒液代用洗剤は「ハイター」だけじゃない
テレビの報道番組等だと、コロナ消毒液の代用洗剤には花王製品のハイターまたはキッチンハイターが登場することが多いようです。しかし条件を満たした塩素系漂白剤であれば、どのメーカーでもコロナ対策としての消毒を行うことができます!
「ハイター」が売っていないからといって、コロナ消毒対策を諦めないでくださいね。
コロナ消毒液の代用になる洗剤の選び方
【業務用 塩素系漂白剤】キッチンハイター 5Kg(花王プロフェッショナルシリーズ)
コロナ禍の現在、ドラッグストアやネットショップでは様々な商品の買い占め等が頻発しています。上で挙げた商品名の製品は売り切れだったり、見つからないことがあるかもしれません。
その場合には、次のような方法でコロナ消毒液の代用となる洗剤を選びましょう。
1.「塩素系」の漂白剤かを確認
漂白剤には「塩素系(えんそけい)」のものと「酸素系(さんそけい)」のものがあります。酸素系漂白剤ではコロナウイルスの消毒はできません。
必ず「塩素系漂白剤」を選びましょう。塩素系か酸素系かは、商品パッケージまたは商品裏の成分表で確認ができます。商品名だけでは見分けがつかないので十分に注意してください。
例
花王ワイドハイター → 酸素系漂白剤 コロナ対策には×
2.主成分「次亜塩素酸ナトリウム」を確認
パッケージ裏の成分表を見ると、洗剤に入っている主成分が確認できます。一番最初に次亜塩素酸ナトリウム(塩素系)と書いてあるかどうかを確認しましょう。
3.「衣料用」または「台所用」を選ぶ
食器やドアノブ等の家の中の身近な製品の消毒をするには、「衣料用」または「台所用」の漂白剤を使用することが大切です。
その他の漂白剤(トイレ用・カビ用漂白剤等)は使わないでください。
4.スプレータイプはNG
スプレータイプの漂白剤だと、後述するような「水で適切な濃度にまで薄める」という方法が使えません。ドアノブや手すり等の消毒には、薄められるタイプ(一般的なボトルタイプ)の漂白剤を選びましょう。
メーカーでコロナ対策の効果の差はある?
コロナ消毒液の代用洗剤となる塩素系漂白剤は、メーカーによって次亜塩素酸ナトリウムの濃度の違いはあります。しかしコロナ対策(消毒)に使う時には同じ程度の濃度に水で薄めますから、メーカーによる違いを心配する必要はありません。
コロナ消毒液代用洗剤(塩素系漂白剤)の使い方
コロナ消毒液の代用洗剤である「塩素系漂白剤」を使った消毒方法(そうじの方法)を見てみましょう。
用意するもの
- 塩素系漂白剤
- 洗面器またはペットボトル等
- ぞうきん・汚れても良い布 2~3枚
※ゴム手袋をはめて作業しましょう。
※作業はかならず換気した状態で行いましょう。
1.濃度0.05%の次亜塩素酸ナトリウム液を作る
真実!キッチンハイター消毒液の作り方【メーカー基準】正しい方法で新型コロナの除菌に!説明欄読んで下さい。
塩素系漂白剤を水で薄めて、濃度0.05%前後の次亜塩素酸ナトリウム液を作ります。
0.05%溶液の作り方の例
・キッチンブリーチの場合 → 水1リットルに対しキャップ1/2杯(10ml)の漂白剤を溶かす
薄める濃度がわからない時は、商品パッケージの裏の「用途・使用量の目安」をチェックしてみましょう。「冷蔵庫の拭き掃除」「食器棚の拭き掃除」等の用途向けの濃度にしておけば、ほぼOKです。
※濃度を濃くしすぎると漂白作用や腐食作用が高くなり、家具類を傷める恐れがあります。十分注意しましょう。
2.布をひたして絞る
薄めて作った次亜塩素酸ナトリウム液に、ぞうきん(または汚れても良いタオルや布)をひたします。そのあと、固くしぼります。
3.消毒したいところを拭く
ドアノブ等の消毒したい部分を、布で拭きます。細かな部分までていねいに拭きましょう。
4.水拭きで仕上げる
別のぞうきん(布)を水で絞ってしぼり、消毒した部分をさらに水拭きします。水拭きの工程は絶対に必要なので忘れないようにしましょう。
コロナ消毒液代用洗剤(塩素系漂白剤)の注意点
塩素系漂白剤はコロナ消毒液の代用洗剤となってくれる、とても助かる存在と言えます。ただ、扱う際にはいくつかの点にしっかり注意しましょう。
素手でさわらない
次亜塩素酸ナトリウム液は刺激が強いため、素手で作業をするのはNGです。必ず炊事用等のゴム手袋をしましょう。
換気をする
塩素系漂白剤は、使用中に強い刺激臭を発します。作業中には窓を開け、換気扇も回しましょう。
他の洗剤と混ぜない
特に酸素系の洗剤と混ぜるのは厳禁です!毒性のある塩素ガスが出て、最悪の場合には死ぬ危険性があります。危ないので、小さなお子さんの手に触れるような箇所に置くこともやめましょう。
金属製品には使わない
金・銀・銅等の金属製品、メラミン製品等には塩素系漂白剤が使えません。使うと変色・腐食をします。
水洗い・水拭きできない製品に使わない
塩素系漂白剤の使用後には、必ず水洗いでの仕上げ、または水拭きでの仕上げが必要です。水洗いや水拭きができない部分には塩素系漂白剤が使えません。
溶液を保管しない
薄めた次亜塩素酸ナトリウム液は保管せず、1回で使い切るようにしましょう。
スプレー噴霧・加湿器等には厳禁
「次亜塩素酸ナトリウム液」は、スプレー容器で噴霧したり、加湿器等に入れて空間除菌をすることはできません。加湿器などでの除菌ができるのは「次亜塩素酸水」で、塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム液)とは違う成分のものです。
おわりに
コロナ対策消毒液の代用洗剤となる「次亜塩素酸ナトリウム液(塩素系漂白剤)」は、コロナウイルスに対してだけでなくノロウイルス等の様々な病原菌・ウイルスの除去に効果を発揮してくれます。価格も安いので、一本常備しておいて損はないでしょう。
ただ上でも解説したとおり、取り扱いを間違えると家具や建具をダメにしたり、人体に危険が及ぶ可能性もあります。特に小さなお子様やペットが居るご家庭では、取り扱いに十分に注意しましょう。
追加情報:新型コロナは「ジョイ」「ママレモン」でも除去できる
経済産業省は5月22日、新型コロナウイルスの除去に有効な界面活性剤とそれを含む住宅用、台所用の洗剤リストを公開しました。
有識者による検討委員会(第3回)が開催され、
- 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.1%以上)
- アルキルグリコシド(0.1%以上)
- アルキルアミンオキシド(0.05%以上)
- 塩化ベンザルコニウム(0.05%以上)
- ポリオキシエチレンアルキルエーテル(0.2%以上
の界面活性剤5種が新型コロナウイルスに対して有効と判断されました。
これらの界面活性剤を使った身近な物の消毒について、参考となるポスターはこちららになります。