新型コロナウイルス感染症の影響で、紙マスクの品薄が続いている昨今。「日々のマスクには布マスクを使っている」「手作りの布マスクに挑戦した」という人も多いのではないでしょうか?
繰り返し使える布マスクですが、洗わずにそのまま再利用するのはNG!付いた汚れはキチンと落として、清潔な状態にして使いましょう。
ここでは布マスクの基本の汚れの落とし方だけでなく、ウイルス除去・除菌対策や汚れが酷い時の洗い方、ファンデーション等のメイク汚れの落とし方も紹介していきます。
1.布マスクの基本の洗い方
まずは布マスクの基本的な洗い方から見ていきましょう。
【用意するもの】
- 液体タイプの洗濯用洗剤
- タオル
- 洗面器
- 洗濯ハサミまたはピンチハンガー
【布マスクの洗い方手順】
- 洗面器に30℃~35℃前後のぬるま湯を入れて、ティースプーン1杯前後の洗剤を加え、よくかき混ぜて溶かします。
- 布マスクを全体的に浸します。
- 10分~20分程度放置します。
- 優しく「押し洗い」をしていきます。ゴシゴシとこすり合わせたり、全体を揉まないように気をつけましょう。
- 洗面器のお湯を捨てて、新しいぬるま湯をはり、すすぎを行います。すすぎの際にも押し洗いをするようなイメージで。すすぎは原則として2回繰り返します。
- すすぎ終わったら、タオルの上に置いて、タオルでマスクを挟むようにします。
- 上から軽くポンポンと叩くようにして、タオルでマスクの水分を取ります。
- 水気が取れたら形を整えて、洗濯ハサミ・ピンチハンガー等を使って陰干しします。自然乾燥で仕上げましょう。
布マスクを洗うのは1枚ずつ!
布マスクは「1回に1枚ずつ洗う」というのが原則です。
これは「まとめ洗い」をすると、汚れや雑菌等が他のマスクに移ってしまうことがあるため。また汚れた布マスクを一日放置すると雑菌が一気に繁殖してしまうので、できるだけ「汚れたマスクは当日に洗う」という習慣をつけましょう。
敏感肌には中性洗剤・液体洗濯石けんを
顔の皮膚は特に薄くデリケートなので、洗剤等の成分に敏感に反応しがちです。肌荒れをしやすい、敏感肌でかぶれやすい…このような肌質の場合には、成分が穏やかな中性タイプの洗濯用液体洗剤や、液状の洗濯石けんを使うのもおすすめです。
ただし中性洗剤の場合、布マスクの汚れを落とす力はアルカリ性の酵素入洗剤等に比べるとやや落ちます。縮みにくい布であれば熱めのお湯を使う、長めにつけ置き洗いをするといった対策で、汚れをキチンと取りましょう。
布マスクは絞らない
布マスクをギュッと絞ってしまうと形が崩れやすいですし、毛羽立ちの原因にもなります。洗濯後には絞らずに、そのままタオルで挟み込んでざっと水分を取るようにしましょう。
乾燥機の使用はNG
布マスクは一般的な衣類に比べて「縮み」が問題になりやすいアイテムです。万一の縮みや型崩れを防ぐため、乾燥機の使用は避けましょう。また同じく、ドライヤー等を使うのも禁止です。
風通しの良い場所で、陰干しで自然乾燥させてください。
2.布マスクの汚れがひどい・ウイルス対策したい時は?
新型コロナウイルス等のウイルス除去や雑菌の除去をしたい場合には、次亜塩素酸ナトリウムが入った塩素系の漂白剤を使用して消毒を行います。布マスクにひどい汚れが付いてしまった時も、漂白剤で汚れを落としましょう。
【用意するもの】
- 塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム配合のもの)
- 液体タイプの洗濯用洗剤
- ゴム手袋
- 洗面器
- タオル
- 洗濯ハサミまたはピンチハンガー
※塩素系漂白剤とは、商品名『キッチンハイター』や『キッチンブリーチ』等の製品です。
【布マスクの漂白・消毒の方法】
- 上の「布マスクの基本の洗い方」の5)の工程(すすぎ部分まで)を行います。
- あらためて洗面器に水を入れてから、塩素系漂白剤を入れます。使用量の目安は、1リットルの水に対して15ml程度です。漂白剤のキャップを使って測ります。(使用量についてはお使いの製品の使用説明書もご確認ください)
- 塩素系漂白剤を溶かした水に、布マスクを静かに入れます。
- 10分程度放置します。
- 水を静かに捨ててから、新しい水を入れ直して「押し洗い」のようにすすぎを行います。
- すすぎを2回~3回繰り返します。
- タオルにとって、タオルでマスクをはさみ、軽く叩くようにして水分を取ります。
- 水気が取れたら形を整えて、洗濯ハサミやピンチハンガーを使って陰干しします。
色物には「塩素系」はNG!
塩素系漂白剤は色物の布には使用することができません。色物マスクに塩素系漂白剤が付くと、激しい色落ち・褪色が起きます。塩素系漂白剤が使用できるのは、ガーゼ製等の白いマスクのみです。
酸素系漂白剤ではダメ?
色落ちしない「酸素系漂白剤」の場合、皮脂汚れを落とすことはできますが、コロナウイルス等の除去効果はありません。使い分けには十分にご注意ください。
塩素系漂白剤使用中は換気を
塩素系漂白剤を使う時(放置する時含む)には、必ず窓を開けるか換気扇を回して、十分に換気をしましょう。
ゴム手袋は必須アイテム
塩素系漂白剤を使う時には、必ずゴム手袋をしましょう。素手で次亜塩素酸ナトリウムを扱うと、激しい手荒れが起きます。
作業中は水ハネに注意
次亜塩素酸ナトリウムが作業中に着ている衣類に付くと、衣類の色落ちや褪色が起きてしまいます。布マスクの消毒中には「水ハネ」が起きないように、静かに作業を進めましょう。
3.布マスクのメイク汚れの落とし方は?
メイクをしている人の場合、布マスクの内側にファンデーションや頬紅・口紅等が付いてしまうのが困りものですよね。
「布マスクの基本の洗い方だけだとメイク汚れが落ちない…」そんな時には、メイクスポンジ用の洗剤を使ってみましょう。
【用意するもの】
- スポンジクリーナー(パフ・スポンジ専用洗剤)
- 洗面器
- 洗濯用液体洗剤
- タオル
- 洗濯ハサミまたはピンチハンガー
【布マスクのメイク汚れを落とす手順】
- 布マスクが乾いている状態で、スポンジクリーナーを汚れが気になる部分に少量付けます。
- クリーナーを付けた部分に35℃前後のぬるま湯をほんの少し付けて、軽くつまみ洗いをします。
- メイクの汚れが浮いてきたら、洗濯用液体洗剤を溶かしたぬるま湯に布マスクを漬けて、10分程度放置します。
- マスク全体を優しく押し洗いします。
- ぬるま湯を使って2~3回すすぎを行います。
- タオルに挟んでポンポンと叩き、水分を吸い取ります。
- 洗濯ハサミまたはピンチハンガーで形を整えて干します。
- 直射日光の当たらない場所で、十分に自然乾燥させましょう。
スポンジクリーナーは乾いた状態で効果を発揮
メイクスポンジやメイクブラシを洗うための専用スポンジクリーナーは、マスクが濡れていない状態で直付けをした方が汚れを分解する効果を発揮します。水分を与えるのは、クリーナーを付けた後にしましょう。
変色テストをしておくと安心
色物の布マスクの場合、布マスクの素材や染料によっては、色落ちや変色等が起きる可能性があります。一番目立たない場所に少量のスポンジクリーナーを付けて、変色が起きないかどうか事前にテストすることをおすすめします。
おわりに
布マスクの汚れの落とし方・消毒方法はお役に立ちそうですか?ちなみに市販製品の布マスクに比べると、手作り布マスクは型崩れが比較的起きやすいです。
布マスクの洗濯後にはギュッと絞らずに、優しくタオルで水分を取ってしっかり形を整えましょう。洗濯後のこの工程を丁寧にしておくと、布マスクの寿命がグッと長くなりますよ。