赤ちゃんのおむつには「布おむつ」と「紙おむつ」がありますが、最近では昔ながらの布おむつのメリットが注目され、布おむつを使うという人が再度増えています。肌触りが良くあかちゃんの肌に優しい、赤ちゃんの感覚を鍛えることができる、お母さんとのスキンシップが増えて情操教育にも良い等…良い面を見ていくとたしかに布おむつは魅力的ですよね。
ただ紙おむつに比べて、布おむつには「洗濯」という手間がかかります。布おむつの洗濯方法がよくわからない、洗濯の手間が大変なのではないか、黄ばみやシミが取れなそう…このような不安から、なかなか布おむつに挑戦することができないというご家庭も多いようです。
ここでは布おむつの洗濯方法を詳しく解説していきます。黄ばみや汚れの対策も、一度覚えてしまえば意外とカンタンですよ。「布おむつに挑戦してみたい」という人はぜひ参考にしてみてください。
1.布おむつの下洗い
布おむつにうんちやおしっこの汚れが付いたら、まずはざっと汚れを落とす「下洗い」をします。
おしっこ汚れの場合
シャワー等で水をあてるか、バケツ等で水で軽くすすぐだけでOKです。早めにすすぎを行った場合には、次の「浸け置き洗い」無しで洗濯機洗いに進むこともできます。
うんち汚れの場合
- コロコロとしたうんちの場合には、そのまままずトイレにふるい落とします。
- うんちの量が多い場合には、トイレットペーパー等を使ってぬぐい取り、トイレに流します。
- うんちがゆるめで取りにくい場合には、バケツに水を張って、その中でふるい落とすようにおむつを振ってみましょう。汚れた水はトイレに流します。
- ペーパーやバケツを毎回使うのが面倒・・・という場合には、トイレの水を流して、便器の水が流れてくるところにおむつをあてて汚れを落としてみましょう。バケツに比べると工程数を大幅に減らせて時短になります。
2.布おむつの浸け置き洗い
布おむつの下洗いが終わったら、洗濯機洗いに入る前の「浸け置き洗い」をしましょう。
浸け置き洗いのメリット
- 汚れの分解作用がある成分を浸け置き液に混ぜておくことで、黄ばみやシミができるのを防ぎます。
- 消臭作用がある成分を浸け置き液に混ぜておくことで、イヤなニオイを目立ちにくくします。
- ある程度枚数を貯めておけるので、洗濯機洗いを行う手間の省略と節水ができます。
浸け置き洗い用のバケツを準備
浸け置き洗いでは、次のようなバケツを用意しましょう。
●蓋付きのもの:ニオイが立ちにくいように蓋付きタイプがおすすめです
●プラスチック製のもの:バケツの消毒・消臭のために、時々漂白剤等を使ったお手入れをした方が安心です。お手入れが楽で変質しにくいプラスチック製のバケツをおすすめでします。
できれば「おしっこ汚れ用」と「うんち汚れ用」のそれぞれの浸け置き洗いバケツを用意しておくのが理想的です。
浸け置きにはセスキ炭酸ソーダ
浸け置き液は単に水(水道水)だけでも構いません。しかし黄ばみやシミ・ニオイ対策をしたい時や、長時間の浸け置きをする場合には、「セスキ炭酸ソーダ」を水に混ぜるのがおすすめです。
セスキ炭酸ソーダとは、アルカリ剤の一種のこと。カンタンに言うと、ご家庭の掃除や洗濯等で使う「重曹」よりもアルカリ性の性質が強い物質です。合成界面活性剤を使った洗剤に比べて環境への影響が少なく、人体に優しいと言われており、最近では「エコ洗濯」や「エコ掃除」等にもよく使われるようになっています。
【セスキ炭酸ソーダの特徴】
- おしっこ等の酸性汚れの分解力に強い
- タンパク質汚れを分解するので黄ばみが起きにくい
- 重曹よりも水に溶けやすい
セスキ炭酸ソーダは500gあたり250円~350円、1kgで500円~700円前後で販売されています。薬局やドラッグストア等で取り扱っている他、最近では100円ショップ等でも少量タイプを扱うようになりました。
【セスキ炭酸ソーダの商品名の例】
- レック セスキの激落ちくん(セスキ炭酸ソーダ)
- マルフクケミファ 自然にやさしいセスキ炭酸ソーダ
- 地の塩 アルカリウォッシュ 等
※セスキ炭酸ソーダであれば、メーカー・ブランドはどれでも大丈夫です。ただし浸け置き洗いでは液状スプレータイプではなく粉末状の商品を購入してください。
セスキの激落ちくん 粉末タイプ 1kg (セスキ炭酸ソーダ)
布おむつの浸け置き洗いの手順
- 浸け置き洗い用のバケツに水を張ります。(粉石鹸等も合わせて使いたい場合には、温かいお湯を使用します)
- バケツにセスキ炭酸ソーダを溶かします。使用量は製品によっても多少異なりますが、10リットルあたりに対して大さじ2杯程度が目安です。しっかり溶かし、溶け残りがないことを確認しましょう。
- 上の方法で下洗いをしたおむつを全体的に漬け込んでおきます。
※うんち汚れ等が酷い場合には、さらに粉石鹸も加えて浸け置きします。
※何も加えずに水道水だけで浸け置きをする場合は、長時間のつけおきはNGです。真水だけだと雑菌の繁殖が早く、黄ばみの発生・カビの発生等の原因になります。
3.布おむつの洗濯機洗い
浸け置き洗いまでできた布おむつは、まとめて洗濯機で洗ってしまうのが手軽でカンタンです。
布おむつの洗濯に使う洗剤は?
ピジョン 赤ちゃんの洗たく用洗剤 ピュア 洗浄力Plus+ 600ml
布おむつの洗濯には、次のいずれかの洗剤を使う人が多いです。
●(洗濯用石けん)
脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムを主成分としたシンプルな作りの石けんです。粉タイプのものと、液状タイプのものがあります。
蛍光剤や漂白成分等を含まず、自然由来の成分が多いことから、合成洗剤に比べると肌に対するダメージが少ないのが特徴。赤ちゃんの肌着やおむつにも安心して使えるということで選ばれています。
粉タイプの洗濯石けんは価格が比較的安く、コスパが良いのもメリット。ただしやや溶け残りが起きやすいため、温かいお湯で洗濯をする等の使い方のコツが必要です。
液状タイプの洗濯石鹸は粉タイプに比べて溶け残りは起きにくいです。ただし粉タイプに比べると、価格がやや高めになります。
● ベビー用・おむつ用洗剤
赤ちゃんの肌着やおむつを洗うことを想定して作られた洗剤です。おしっこ・うんち等の汚れに対処をすることを想定して作られている他、安全性が比較的高い点がメリットと言えます。
ただし商品の中には合成界面活性剤や蛍光剤等を含んでいるものもあります。「ベビー用」と書いてあるからと安心せず、商品の成分表は必ず確認するようにしましょう。
布おむつ洗濯時の注意点
布おむつを洗濯機で洗う時には、次の店に注意しましょう。
● 色物との同時洗いは避ける
セスキ炭酸ソーダで浸け置き洗いした布おむつは、他の色物と一緒に洗濯しない方が良いです。セスキ炭酸ソーダのアルカリ成分で色落ちや変色・色移りが起きる可能性があります。
● 洗濯量にはゆとりを持って
洗濯するおむつの量は、水量や洗濯槽の大きさに対してゆとりをもった量にしましょう。洗濯槽に対して詰め込みすぎたり、水量に対して洗濯物が多すぎると、汚れが落ちきらずに繊維に残ってしまいます。
おわりに
布おむつの洗濯は、一度慣れてしまえばそこまで難しいものではありません。上手に布おむつの洗濯をしていけるかどうか不安な人は、まずは2~3枚程度からスタートしてみても良いでしょう。
最終的には40枚位の布おむつの洗い替えがあると「浸け置き洗い→洗濯機洗い」を繰り返しながら上手に使いまわしていくことができますよ。