「コップにたっぷりと入ったジュースをこぼしてシミに…」こんな失敗を経験したことがある人は多いはず。特に小さなお子さんのいるご家庭だと、ジュースのシミ・汚れのトラブルは日常的に起こりやすいですね。
天然果汁100%のジュースは色素成分が多いため、放っておくと取れにくいシミになってしまいます。早めにササッとジュースのシミ抜きをして、服をキレイな状態に戻しましょう!
今回はジュースのシミ抜き方法について、果汁の種類やシミの状態に合わせた3つのやり方を詳しく解説していきます。
1.アップルジュースや新しいシミには「キッチン洗剤」を
ジュースや果汁は「水溶性」の汚れなので、シミが付いてすぐの状態であれば「水洗い」だけでもおおまかな汚れは落とすことができます。
でも少し汚れが残ってしまったり、昼間に付けたシミを取り切れずに乾かしてしまった場合には、「台所用の洗剤」を使ってサッとシミ抜きをしておきましょう。特に比較的色素の少ないりんごジュースのシミであれば、キッチン洗剤だけで十分にキレイにできます。
用意するもの
・綿棒(シミ範囲が小さい場合)
・古い歯ブラシ(柔らかいタイプ)
・洗濯用洗剤(中性タイプ)
りんごジュースのシミ抜きの手順
- 35℃~40℃のお湯を使ってシミの部分を十分に濡らします。
- シミ部分に食器用洗剤を少量垂らします。
- 古い歯ブラシでシミ部分を軽く叩いて、汚れを浮かせます。Tシャツ等の丈夫な素材の場合は、手でもみあらいをしてもOKです。
- 汚れが浮いたら、ぬるま湯で十分にすすぎます。
- 洗濯用洗剤を使い、洗濯機または手洗いで全体を洗って仕上げます。
シミ抜きの注意点
※強くこすると毛羽立ちや色あせの原因になります。やわらかくつまんだり、軽く叩くようにして汚れを浮かせましょう。
※すすぎや全体洗いを丁寧に行いましょう。食器用洗剤の成分が残ると、色合い等が変わる原因になります。
※水洗いができない製品にはこのシミ抜き方法は使えません。洗濯表示を確認しましょう。
2.オレンジジュースや少し手強いシミには「液体漂白剤」+「重曹」
オレンジジュース等の少々色素が多いジュースのシミを作ってしまったり、シミを作って翌日まで衣類を放置してしまった…という場合、食器用洗剤や一般的な漂白剤では色素が取り切れないことがあります。
こんな時には、料理やお掃除にも使っている「重曹(じゅうそう)」を使ってみましょう。弱アルカリ性の重曹を加えることで漂白力がアップし、色素をスッキリと落としてくれます。
用意するもの
・クエン酸
・古い歯ブラシ
・酸素系漂白剤(液体タイプ)
・小皿等の容器
・洗濯用洗剤
オレンジジュースのシミ抜きの手順
- 容器に重曹を適量振り出し、水を少し加えてペースト状にします。
- ペーストにした重曹をシミのある部分に塗りつけます。範囲が小さい場合には、綿棒等を使ってもOKです。
- 液体タイプの酸素系漂白剤を少量垂らします。歯ブラシを使って漂白剤と重曹を混ぜて、軽く叩くようにして布になじませます。
- 50℃~60℃のお湯を少しずつかけます。
- 10分~15分間放置します。
- ていねいにすすぎを行います。
- クエン酸をほんの少しシミ部分にかけるか、クエン酸溶液に浸して中和させます。
- もう一度よくすすぎを行います。
- 洗濯用洗剤を使い、洗濯機または手洗いで全体洗いをして仕上げます。
シミ抜きの注意点
※染料や素材によっては変色・退色が起きる恐れがあります。事前に必ず目立たない場所でテストを行いましょう。
※クエン酸で中和をしないと衣類が傷んだり、変色する原因になります。必ず中和作業を行いましょう。
※重曹のかわりにセスキ炭酸ソーダを使用することもできます。
※水洗いできない洋服にはこの方法は使えません。
※高温での洗濯ができない服の場合には、40℃以下のぬるま湯を使用しましょう。洗濯表示を確認してください。
3.ブドウジュースやガンコなシミには「粉末タイプの漂白剤」を
ジュースのシミの中でも特にガンコなシミが「ぶどうジュース」や「ザクロジュース」そして「いちごジュース」です。
これらの果物はいずれも色素がとても強く、天然の染料としても使われるほど。そのためすぐにシミを洗っても薄く色が残ってしまった…といったケースが多いのです。こんな時には、より漂白力の強い「粉末タイプ」の酸素系漂白剤を使いましょう。
用意するもの
・酸素系漂白剤(粉末タイプ)
・バケツまたは洗面器(金属製のものはNG)
・食器用ラップ
・洗濯用洗剤
ぶどうジュースのシミ抜きの手順
- シミのある部分をぬるま湯で軽く濡らします。
- 台所用洗剤(液体タイプ)を少量垂らします。
- さらにぬるま湯を加えて軽くつまむように洗います。
- ぬるま湯で一度キレイに洗い流します。
- バケツに60度のお湯を入れます。
- 酸素系漂白剤(粉末タイプ)を使用説明書に従った分量で入れます。
- 衣類をバケツに漬け込みます。
- ラップでバケツにフタをします。フタをすることでお湯が冷めるのを防ぎ、漂白力を維持します。
- 60分程度放置します。衣類の傷みを防ぐため、120分以上の放置をするのは避けましょう。
- シミが取れていたらすすぎを行います。
- 洗濯用洗剤を使い、洗濯機または手洗いで全体を洗って仕上げます。
シミ抜きの注意点
※ウール・シルク等の動物性素材には粉末タイプの酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)は使用できません。縮みや変質の原因になります。
※ボタン等の金属が付いている衣類には酸素系漂白剤(粉末タイプ)は使えません。変色・腐食の原因になります。
※高温がNGの衣類の場合には、30℃~40℃以下のぬるま湯を使用しましょう。洗濯表示を確認してください。
※酸素系漂白剤(粉末タイプ)は色柄ものにも使えますが、染料や素材によっては激しい退色・変色が起きる場合があります。事前に目立たない場所に溶液を付けて、問題が起きないかテストをすることをおすすめします。
家では落ちないジュースのシミもある?
様々な方法でシミ抜き対処ができるジュース(果汁)のシミ。でもシミの状態や衣類によっては、家でのシミ抜きが難しい場合もあります。
家でシミ抜きができない例
・刺繍やレース・スパンコール等の特殊な装飾がある服
・シミの範囲が手のひらよりも大きい場合
・シミが付いてから2週間以上経過している場合
・シミができてから一度洗濯をして乾かした衣類
・草木染め等の天然染色の衣類
上記のような製品は、無理に自宅でシミ抜きをせず、クリーニングの専門店に持ち込んで相談しましょう。自宅では水洗いができない製品でも、専門店であればウエットクリーニングで果汁シミをキレイに落とすことも可能です。
おすすめジュースシミ抜き剤
プロが使っている 業務用 クリーニング屋さんが使っている!衣類のシミ取りペン 携帯用 シミ抜き 応急処置 洗浄 シミ取り ペン 衣類 シミ汚れ コンパクト ペンタイプ 業務用
・正味量:5ml
・液性:弱アルカリ性
・成分:界面活性剤(1.2% ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキル硫酸エステルナトリウム)、エタノール、水
・使用量の目安:シミ全体を覆い、しっかりしみ込む量
・落とせるシミ:ついたばかりのシミ(コーヒー、醤油、ジュース、ケチャップ、ソース、カレー、口紅、ファンデーションなど)
・落とせないシミ:ボールペン、墨汁、朱肉、血液、時間の経ったシミなど
・用途:綿、麻、合成繊維用 ※毛、絹、水で色落ちや輪ジミになるものは使用できません。
・日本製
・パッケージサイズ:(約)18.7×2.5×7.5㎝
・梱包状態:化粧箱
おわりに
果汁・ジュースのシミ抜きは、早くに対処すれば比較的難易度の低いシミ抜きと言えます。しかし時間が経過してシミがすっかり乾いてしまったり、洗濯や日干し乾燥を重ねてしまうと一気に手強いシミに…。「洗濯機で洗えば落ちるだろう」と甘く見ず、シミが付いたら一時間でも早くシミ抜きをすることが最善策です。また水で洗えない衣類の場合は、一日でも早くクリーニング専門店に持ち込むことをおすすめします。