簡単 染み抜き クリーニング方法

食べ物、飲み物、調味料、化粧品からインクなど染み抜きやクリーニングお手入れなどの方法を、自分で!自宅で!出来る方法を分かりやすくご紹介しています!

衣類の「陰干し」メリットや注意点を徹底解説

着物 陰干し

衣類・服の「陰干し」って聞いたことがありますか?陰干しは「かげぼし」と読みますが、衣類のお手入れの基本のひとつでもあります。衣類の陰干しを知っておくことで、大切な服や着物を長持ちさせられるかもしれませんよ。

ここでは衣類の陰干しの方法やメリット、行う際の注意点等を詳しく解説していきます。

「陰干し」とは何?基本のやり方

陰干しは「かげぼし」という読み方をします。「陰(かげ)」という言葉が入るので時々「真っ暗な場所で干す」とカン違いする人もいるようなのですが、正確には「直射日光に当たらない場所で衣類を干す」という意味です。

直接お日様に当たらなければ、明るいお部屋や屋外で干しても大丈夫なんですよ。では陰干しの実際の方法を見てみましょう。

 

【陰干しの方法】

  1. 屋外(庭やベランダ)または屋内で、直射日光の当たらない場所を選びます。
  2. ハンガーか物干しに衣類をかけて、形をよく整えます。
  3. 屋内の場合には湿度や温度を調整します。
  4. そのまま1日~数日程度干します。(屋外の場合には夜間は取り込みます)

基本的には「干す」だけでOKなのでシンプルですが、「日光に直接さらなさい」ということが大切です!また風通しの良い場所を選ぶようにしてくださいね。何度か陰干しをしてみて、お家の中で陰干しに向いた場所を探してみましょう。

 

陰干しを行うメリット

なぜ衣類の陰干しが推奨されることが多いのでしょうか。陰干しには、実はいろいろなメリットがあるのです。

色あせ(褪色)を防ぐ

色あせ

色あせ

直射日光(紫外線)は、染料を破壊して色あせを促進させてしまうことが多々あります。色の濃いTシャツ等を干して、なんとなく色が薄くなったり、買った時より色味が悪くなったことがありませんか?もちろん洗剤等で色落ちすることもありますが、実は日干しで色あせ(褪色)している…ということも多いんですよ。

直射日光を避けた「陰干し」では、このような色あせ・褪色のリスクをできるだけ減らすことができます。特に次のような衣類には、色あせ対策として陰干しを選んだ方が良いのです。

  • 赤・黄色等のハッキリした色合いの衣類
  • 黒・紺色等の濃い色の衣類
  • 柄物の衣類
  • 絹・麻等の褪色や変色が起きやすい衣類
  • 長持ちさせたい「おしゃれ着」

繊維のダメージを減らせる

直射日光に長く当たり続けることで、染料だけでなく繊維自体がダメージを負ってしまうこともあります。またデリケートな加工がされている衣類の場合、その加工が日光で劣化してしまうケースも多いのです。

「陰干し」を行う理由として、繊維のダメージをできるだけ減らし、また加工の傷みを減らすという意味合いもあります。特に高額なお洋服等の場合には陰干しをする方が多いです。

  • ウールやカシミヤ等の動物性繊維
  • 細い糸で編まれたニット素材
  • 刺繍・縫い付けなどの加工がある製品
  • 特殊プリント・ラメ加工等がある製品

上記は一例ですが、陰干しにした方が良い衣類の種類は実にたくさんあります。

衣類のニオイ取り(消臭対策)

陰干しをすると繊維の奥に溜まっていた空気が入れ替わります。この時に繊維にくっついていたニオイの分子も出てくるので、ある程度の消臭効果も得ることができます。

レストラン等に食事に行くと、その場所のニオイが衣類に付いてしまうことが多いですよね。こんな時には、少し長めに陰干しをしておくと衣類のニオイが気にならなくなりますよ。

curininngu.hateblo.jp

洗えない衣類のお手入れ

一度着用した衣類には、一日の中でかいた汗や体熱による湿気がたくさん含まれています。すぐに洗ってしまうのであれば良いですが、自分で水洗いができない製品だと、衣類の中にはいつまでも湿気が溜めこまれてしまうわけです。

湿気が残った状態でクローゼットや引き出しに衣類をしまうことは、温まった状態の繊維を好む「カビ菌」や「虫」の原因に。次に着る時に虫食いやカビのシミが!そんなリスクがあるのです。

衣類の陰干しをしておくと、繊維の奥にこもった湿気が取り除かれて、このようなリスクを減らすことができます。自宅で洗えない衣類の基本のお手入れとして「陰干し」は重要なのですね。

curininngu.hateblo.jp

 

陰干しをする時の注意点

いろいろなメリットがある陰干しですが、適当に衣類の陰干しを行うと良くない結果となることも。陰干しに失敗しないための注意点も知っておきましょう。

室内でも直射日光を避ける

「部屋の中ならどこでも陰干し」と思っていませんか?紫外線A波(UVA)は窓ガラスを通り抜けて入ってきますので、部屋の明るい場所・日光の当たっている場所に衣類を干していると服は色あせしてしまいます。

室内に干す場合でも、必ず直射日光の当たらない場所を選びましょう。

空気が溜まっていませんか?

陰干しでは直射日光に当たらない分、「熱」による衣類の乾燥力が弱いです。そのため風通しの悪い場所、空気の溜まった場所に干していると、いつまでも衣類が乾燥できない…ということになります。

特に濡れた衣類を陰干しする場合、空気の流れの良くないところで干し続けると、雑菌が増えて臭くなったり、カビ菌が生えてしまうことも!必ず風通しの良い場所を選ぶようにしましょう。

雨の直前直後は避ける

「もうすぐ雨が降ってきそう」「昨晩はたくさん雨が降った」こんな時には屋外で陰干しをするのは止めましょう。雨が近い時には空気中に水分が多く、陰干しによる十分な乾燥効果が得られません。

また梅雨や真夏等で湿度が非常に高い場合も、屋外での陰干しは避けた方が良いでしょう。

日光の動きに要注意

日光が挿す角度は、一日をかけて少しずつ東から西へと動いていきます。そのため午前中には日陰(ひかげ)だった場所が、午後になると日向(ひなた)になってしまうというケースはよくあります。

陰干しでは一日以上長く衣類を干すので、常に日陰であることが大切です。午前と午後で干す場所を変えたり、常に日陰となる場所を選ぶようにしましょう。

室内の場合はエアコンか除湿機を

室内で陰干しを行う場合には、室内の湿度を確認しておきましょう。外の空気が乾燥している場合には、窓を開けて換気をした状態で陰干しを行うのでもOKです。

しかし外気の湿度が高かったり、部屋の中が蒸している場合には、エアコン等で湿気を取るようにします。また除湿機等を使うのも有効です。

人間が暮らす上で快適な湿度は40%~60%位なのですが、陰干しの場合には40%以下のパリッと乾燥した状態が理想的。「この部屋、空気が乾燥しているな」という位が陰干しにベストと覚えておきましょう。

状態に合わせて干す日数を変える

洗濯した衣類を乾かすだけであれば、陰干しの日数はそこまでかかりません。しかし例えば「消臭効果」を求めて陰干しをする場合だと、一日では衣類のニオイが飛びきらない可能性が高いです。

特にしっかりとニオイが染み付いている場合だと、数日程度の陰干しが必要となることもあります。衣類の状態、干す目的に合わせて、陰干しの日数を上手に調整していきましょう。

なお何週間も衣類を干しっぱなしにするのはNGです!あまりにも長期間の陰干しを行うと、部屋の中に入り込んでいる紫外線(UVA)によって衣類が色あせを始めます。例えば「一週間も陰干ししてもニオイが取れない」といった場合には、別の対策を取るようにしてください。

 

おわりに

衣類の陰干しの方法やメリット・注意点を知っておくと、一般的な普段着はもちろん、おしゃれ着や着物等のデリケートな衣類のお手入れにも役立ちます。「真っ白なシーツやタオルは日干しで直射日光をあてる、濃い色のおしゃれ着は陰干しに」等、上手に乾燥の方法を使い分けてみてくださいね。

 

服がタバコの臭いに…試すべき5つの対処法

タバコの臭い

洋服についたタバコの臭いは、喫煙しない人からは「嫌なニオイ」でしかありません。でもタバコを吸う人はもちろん、喫煙する人と同席をしただけでも服には煙草の臭いがすぐに付いてしまいますよね。

服に付いたタバコ臭さはどうやって対処すればよいのでしょうか?ここでは手軽さや臭いの強さ・衣類の種別等に合わせて、衣類のタバコ臭さの対処法を5つご紹介していきます。

1.軽いタバコの臭いに「天日干し/陰干し」

服に付いたタバコの臭いに最も手軽に対処する方法は「干す」ことです。タバコの臭いは湿気と一緒に繊維の中にこもって定着しています。しかし服を干して通気性を良くすると、空気と一緒に定着した臭いの分子が通り抜けていくため、臭いが大幅に減らせるのです。

【タバコの臭い取りの手順】

  1. 屋外または屋内の通気性の良い場所を選ぶ
  2. ハンガーまたは物干しに衣類を干す
  3. 1日~2日程度衣類を干す(屋外の場合は夜間は取り込む)

この方法は「手軽」というだけでなく、家で洗えない服に付いたタバコの臭いの対処法になる点も魅力!例えば着物やカシミヤのセーター、ブランド服等、手洗いできない製品にも試してみる価値があります。

なお直射日光の元で干した方が紫外線による消臭効果も得られるので、丈夫な服であれば日干しをした方が理想的えす。

陰干しした方が良い製品も

次のような製品はお日様の光に直接当てると日焼けして褪色しやすいので、直射日光を避けた「陰干し」にしましょう。

【直射日光はNGの衣類例】

  • 絹製品
  • カシミヤ等の動物性繊維
  • 草木染・藍染等の天然染色製品
  • 色あせさせたくない麻製品
  • その他 洗濯表示で「陰干し」表示があるもの

 

2.手軽な「消臭スプレー」でタバコの臭い消し


リセッシュ 除菌EX 消臭芳香剤 香り残らない 本体 360ml

もう少ししっかりと服のタバコの臭いが取りたい人には、衣類用の消臭スプレーがおすすめです。

【消臭スプレーの使い方】

  1. 衣類用の消臭芳香剤を20センチ~30センチ程度離して、服の全体にしっかりスプレーしましょう。
  2. 服に触れた時に軽く湿った感じになるまでスプレーします。
  3. スプレーをした後には、やはり室外でしっかり干した方が服のタバコの臭いが取れやすいです。上で解説した方法を参考に天日干しまたは陰干しをします。

また消臭スプレーを使用する際には、次の2点に気をつけましょう。

無香料タイプのスプレーを選ぶ

衣類用の消臭スプレー(消臭芳香剤)には様々なものがありますが、タバコの臭い対策に使う場合には「無香料」「無臭」タイプを選ぶのが鉄則!

フローラル系やシトラス系等のフレグランス作業はあるものはNGです。

万一少しでもタバコの臭い成分が残った場合、これらのフレグランス成分と混じり合って強い悪臭となってしまうことがあります。

スプレー後にはしっかり乾かす

消臭スプレーで湿らせた後には、衣類をしっかりと乾かしましょう。できれば屋外の通気性の良い場所で乾かすのが理想的。どうしても室内干しする場合は、扇風機をあてたり、エアコンの風があたる位置等を選んでください。

スプレー後に乾かさずにすぐに服を着用すると、体からの熱気と汗で湿気がこもり、タバコの臭いが完全に取りきりにくくなります。

和装製品には使用NG!

衣類用の消臭スプレーは、原則として着物や帯等の和装製品には使うことができません。これは消臭スプレーが水をベースにしていて、和装製品に水濡れに極端に弱い製品が多いためです。着物・帯やその他和装製品については、消臭スプレーでの対策は止めたほうが良いでしょう。

kimono-support.com

 

3.浴室に干してから天日干し

「消臭スプレー等のコストをかけずに服に付いたタバコの臭いを取りたい!」という時にオススメなのは、浴室に一晩干してから天日干しをする方法です。繊維の中に一度水蒸気をたくさんこもらせて、タバコの臭いとくっつけてから空気を飛ばすことで、臭いをより強力に落とすことができます。

【浴室でタバコの臭いを取る方法】

  1. 浴室の浴槽にはしっかりお湯を張っておくのが理想的。夜に熱いお風呂に入った後、残り湯がまだ温かい状態で服を干すのがよいでしょう。
  2. そのまま朝まで干しっぱなしにしておきましょう。大体8時間~10時間程度は干しておくのが理想的です。
  3. その後、天日干しか陰干しをして衣類の湿気を完全に取り去ります。

湿気で縮んだりしないか要注意!

この方法は「水洗いNGの衣類にも使える」と紹介されていることが多いですが、刺繍入りの衣類や特殊加工のある衣類には使えないことがあります。「湿り気」に耐えられる製品かどうか、洗濯表示等でデリケートさをよくご確認ください。

 

4.さらに強力「スチームアイロン」

「浴室に一晩干すのでは間に合わない!」という人には、スチームアイロンを使う手もあります。スチームアイロンは蒸気をたっぷりと繊維に当てるため、浴室に干すのとほぼ同じ消臭効果が見込めるのです。

【スチームアイロンでタバコの臭いを取る方法】

  1. ハンガー等に衣類をかけるか、アイロン台に置きます。
  2. 洗濯表示の温度設定をよく確認し、スチームアイロンを温めます。
  3. 衣類の全体に蒸気をあてていきます。
  4. 衣類の裏側や折返し部等、ムラなく蒸気を当てましょう。
  5. 十分に蒸気をあててから、通気の良い場所で衣類を十分に乾かします。

十分に乾燥させることが大切

スチームアイロン後も、しっかりと乾燥は必要です。「アイロンをあてれば服のタバコの臭いが消える!」とアイロン後にすぐに服を着用する人が居ますが、これではタバコの臭いの元が飛び散っていない状態であるため、かえってタバコ臭い服を着ることになってしまうかもしれません。

スチームアイロンできない衣類も

次のようなデリケートな衣類は、スチームアイロンには不向きです。

  • 箔押し加工・金糸銀糸加工がある衣類
  • 刺繍加工がある衣類
  • スパンコール等の縫い付け加工がある衣類
  • 毛皮等の動物性繊維を含む衣類
  • ウォッシャブル対応でないウール製品
  • 一部のシルク製品
  • その他洗濯表示で「スチーム」非対応となっている製品

衣類によっては大量に湿気を吸収した結果、繊維が縮んでしまって元に戻らなくなることがあります。水濡れで縮みやすい繊維、水で「水シミ」等ができやすい繊維は避けたほうた良いでしょう。

 

5.最後の手段「置形消臭剤+ゴミ袋」


【まとめ買い】消臭力 業務用 ビーズタイプ 室内用 本体 タバコ用 クリアミント 大容量 850g×2個 サニティー 部屋 タバコ 消臭剤 消臭 芳香剤

スチームアイロンや消臭スプレー等での対策ができない、でも陰干しをするだけでは服についたタバコの臭いが取り切れない…そんな時には「置形の消臭剤」を使ってみましょう。これで繊維の奥についた臭いを吸い取ってくれることがあります。

【置形消臭剤で臭いを取る方法】

  1. 45リットル以上の大きめのゴミ袋を用意します。
  2. 衣類を広めに畳んで平らに入れます。
  3. 袋の中に、衣類に直接触れないように置形消臭剤を入れます。
  4. ゴミ袋の口を閉じます。
  5. 最初は数日置いて臭いをチェックします。
  6. さらに1週間程度置いておくと、消臭効果がアップします。

なお置形消臭剤による消臭効果は、「最近ついたタバコの臭い」に対してしか発揮されません。古着等、長年の間に蓄積されたタバコの臭いを除去するのは難しいです。

 

おわりに

服についたタバコの臭いを取る方法を5つご紹介しましたが、今すぐ試せる方法は見つかりましたか?置形消臭剤の項目でも触れましたが、服の臭いをご家庭で取れるのは基本的に「最近付いた臭いの元」までです。強く染み付いてから時間がたってしまった臭いは、ご家庭での対処法では取り切れないことがあります。

この場合には専門のクリーニング店に消臭対策を相談してみましょう。繊維にあったベストな対策を提案して貰えますよ。

混合性のシミが服に付いた!汚れを落とす2つの対処法とは

焼肉のタレは混合性のシミになる

洋服に付くシミにはいくつかの種類がありますが、気をつけておきたいのが「混合性」のシミです。混合性の汚れはガンコなシミとして残りがち。きちんと混合性のシミ汚れの落とし方を知っておかないと、大切な服のシミが取れなくなった…なんてことも多いんです。

ここでは混合性のシミ・汚れについて、その特徴やしみ抜きの方法を詳しく解説していきます。

混合性のシミとは?1分でわかる特徴

混合性のシミとは、「油溶性のシミ」と「水溶性のシミ」両方の特性を持っているシミのことを言います。とってもカンタンに言えば「油と水の両方が入っているシミ」ということ。例えば次のような汚れが「混合性のシミ」です。

【混合性の汚れの例】

  • 焼肉のタレのシミ → 果汁や野菜汁の水性成分 + 食用油や肉汁の油性成分
  • ドレッシングのシミ → 酢やレモン汁の水性成分 + オリーブオイル等の油性成分
  • ラーメンのスープのシミ → 出汁の水性成分 + 背脂等の油性成分
  • アイスクリームや牛乳のシミ → ベースとなる水性成分 + 乳脂肪分の油性成分

牛乳やアイスクリームは意外に思えるかもしれませんが、そもそも乳製品は多くの「乳脂肪分」を含んでいます。つまり自然の「あぶら」が多いので、混合性のシミ汚れの対処法を行ったほうが良いんです。

「水洗い」は絶対に必要

混合性のシミには、水に溶ける水性成分の汚れが多く含まれています。この水性(水溶性)の成分は、水洗いをしないと落ちません。ベンジン等の石油系成分だけでは溶かすことができないのです。

  • 家庭では水洗いが必須
  • クリーニングでも「ウェットクリーニング」や「しみ抜き」が必要

ご家庭で混合性のしみ抜き対処ができるのは「水洗いに対応した製品」だけということになります。

「油シミ」が残りやすい

混合性のシミには、水性成分だけでなく油性の成分も多く含まれます。そのためただ洗濯機で洗うだけといった一般的な洗浄方法だと「油性成分(油溶性成分)」が分解しきれません。洗濯後などに「油シミ」として浮き上がってきてしまうのは、これが原因です。

 

混合性のシミのしみ抜き方法は?2つの対処法

では混合性のシミはどのように染み抜きしたら良いのでしょうか。

1.食器用洗剤+酸素系漂白剤

Tシャツ等の丈夫でカジュアルな服、「普段は洗濯機でガシガシ洗っている!」という服に混合性シミがついた場合には、いつもより強力な洗剤を使って染み抜きをしていきます。

使うのは食器用の洗剤。これは油性成分を溶かし出す力が強いんです。さらに酸素系漂白剤で、残りやすい油性の成分を分解していきます。

【準備するもの】

  • 食器用の液体洗剤
  • 酸素系漂白剤(液体タイプ)
  • 洗濯用洗剤(酵素入り等がおすすめ)

※この方法で染み抜きができるのは「ご家庭での水洗い洗濯」ができる製品のみです。洗濯表示をよくご確認ください。
※製品によっては「縮み」「色落ち」「変色」が起きます。デリケートなおしゃれ着には不向きの方法です。ご注意ください。

【シミ抜きの手順】

  1. シミがある部分を水またはぬるま湯で濡らします。
  2. キッチン用の食器洗剤を原液のまま少量シミにつけて、指でやさしく揉むようにして洗います。
  3. 水またはぬるま湯で軽くすすぎます。
  4. 洗面器や洗面ボウル・バケツ等に水またはお湯を入れて、洗濯用洗剤を溶かしておきます。
  5. 酸素系漂白剤(液体タイプ)を原液のまま、シミがある部分に染み込ませます。
  6. すぐに4.で作った洗剤液に衣類を漬け込みます。
  7. 30分程度つけ置きにします。
  8. あとは通常どおりの洗濯機洗いで全体を仕上げ洗いします。

※色落ち・色ハゲなどの心配が少ない丈夫な衣類の場合には、台所用洗剤を付けた後に古い歯ブラシなどで叩くとより効果的です。
※つけ置き時間は最長でも1時間~90分程度にしましょう。2時間以上のつけ置きは色移り・色落ちや縮みの原因になります。
※牛乳や乳製品、たまご、血液等のタンパク質成分が含まれる場合は、染み抜きにぬるま湯を使わないでください。タンパク質が固まり、取れにくいシミになります。

2.ベンジン→中性洗剤

次に「家で手洗いはできるけれど、デリケートなおしゃれ着」に混合性のシミが付いてしまった場合です。

デリケートなおしゃれ着には、酵素入りの洗濯洗剤や食器用洗剤などは使わないほうがベター。

衣類の繊維が全体的に傷んでしまうこともあります。

そのため油性成分はベンジンで溶かして落とし、その後に作用の穏やかな中性タイプの洗濯用洗剤(おしゃれ着用洗剤)を使うという2段階の染み抜きを行っていきます。

【用意するもの】

  • ベンジン
  • 柔らかい布
  • タオル(汚れても良いもの)
  • 中性タイプの洗濯用洗剤(おしゃれ着洗い用洗剤)
  • 洗濯用ネット(洗濯機洗いをする場合)
  • 柔軟剤

※この方法で染み抜きができるのは「手洗い」に対応した製品のみです。衣類の洗濯表示をよくご確認ください。
※製品によってはベンジンで色落ち・変色等が起きることがあります。事前に目立たない箇所でテストしておくことをおすすめします。

【染み抜きの手順】

  1. 下にタオルを敷いてから衣類を広げます。
  2. 柔らかい布にベンジンを染み込ませます。
  3. シミがある部分をベンジンを含ませた布でたたきます。
  4. 汚れが溶けてタオルや布に移っていくので、常にタオルや布を動かし、きれいな面が当たるようにしましょう。
  5. 油汚れが落ちたら、すぐに水またはぬるま湯でシミがある部分を濡らします。
  6. 中性タイプの洗濯洗剤を少しだけシミがある部分につけて、指で撫でるように優しく洗います。
  7. 一度軽くすすいでおきます。
  8. 全体を仕上げ洗いします。洗面器等に水かぬるま湯を入れて、中性洗剤を溶かしてから衣類を沈めて優しく押し洗いしましょう。洗濯機で全体洗いをする場合には、洗濯ネットに衣類を入れて、ソフトコースやドライコースなどで優しく洗ってください。
  9. すすぎの際に柔軟剤を使って仕上げます。

※ベンジンの染み抜きの際に、強く叩いたり何度もこするのはやめましょう。表面が毛羽立ったり白っぽくなってしまうと元に戻りません。

 

混合性シミが家で落ちないこともある?

服についた混合性シミを染み抜きしてみたけど、全然落ちない…これはもしかしたら、次のような原因があるのかもしれません。

時間が経ったシミは落とせない

家で混合性シミに対処ができるのは、シミが付いてから数日以内が限度です。すっかり乾いて繊維にこびりついてしまったシミには対処ができません。

浮いてきた油シミは家では落ちない

何度も繰り返して洗濯をして乾燥をさせた「混合性シミ」は、完全に衣類に定着してしまっている状態です。後から油シミが浮き上がってきて汚れに気づいた…というパターンだと、ご自宅ではシミが取り切れない可能性が高くなります。

アイロンや乾燥機を使ったことがある

シミがある箇所にアイロンをあてたり、乾燥機で衣類乾燥をしていませんか?シミに熱をあてると汚れが定着してしまい、ご自宅での染み抜きでは汚れが落ちなくなります。

変色シミは落とせない

衣替え等で衣類を出した時に思いもよらない箇所に黄ばみやシミができていた…これは残っていた汚れが酸化してできた「変色シミ」です。こちらもとても落とすのが難しいので、プロに相談をした方が良いでしょう。

色素が多いシミも落としきれない

ワインやブドウジュース、クランベリーソース、抹茶、粉コーヒー等の色素成分がシミに多く含まれていませんか?これらの成分は元々「布を染めるため」に使うくらいに色素が多く、定着度が強いという特徴があります。

これらの汚れが付いてから2~3日程度が経過している場合、家での染み抜きでは色素成分を取り除ききるのが難しいです。早めにお店に相談をしましょう。

難易度が上がった汚れの染み抜きをムリにご自宅で行うと、大切な衣類が色落ちしたり、毛羽立つといったトラブルのリスクが上がります。ムリに自分で染み抜きせず、クリーニング専門店に相談をしましょう。

 

おわりに

混合性シミの染み抜きでは「油性の汚れを分解する」→「水性の汚れを落とす」という2段階の工程を踏むか、強力な分解力を持つ洗剤等を使うことがポイントとなります。

なおどの方法を取る場合でも、できるだけ早く染み抜きを行うのが大切です。クリーニングに持ち込む場合も、早めに相談した方がキレイに落ちる確率が上がりますよ。