賢い主婦の裏技等で「洗濯物は裏返して洗う方が良い」という説が注目されています。「えっなんでわざわざ裏返すの?」と驚く人も多いかもしれませんが、実はこの「裏返して洗濯」、メリットがたくさんある洗濯方法なんです。
汚れの種類・衣類の種類によっては、とても効率的な洗濯になることも。うまく「裏返し洗濯」を使いこなして、もっと快適な洗濯ライフを送りましょう!
ここでは洗濯物を裏返して洗う効果や「裏返し洗濯」にあっている服の種類、また裏返し洗濯に向かない服や注意点等についても解説していきます。
洗濯物を裏返して洗うメリット
洗濯物を裏返して洗うと、次のような良い効果を得ることができます。
皮脂汚れ・汗汚れがよく落ちる
洗濯では「表側に出ている方の汚れ」がよく落ちる仕組みになっています。
そのため、いつもどおりに洗濯をしている時には衣類の表面側の汚れの方がよく落ちていますが、肌と触れ合う裏側の方は汚れ落ちがやや劣ります。
裏側に付きやすい汚れとしては「汗の汚れ」や「皮脂の汚れ」等が挙げられます。特に次のような洋服のシミが気になっている人は、汗汚れ・皮脂汚れが落ちきっていない可能性も高いです。
- 首まわりの黄ばみ・黒ずみ
- 袖口の黄ばみ・黒ずみ
- ワキの汗じみの変色
- 長期保管中の白い衣類の黄ばみ 等
衣類を裏返しにして「裏側を表」にすれば、今まで落ちにくかった皮脂汚れや汗汚れ等をスッキリと落とすことができます。
服の傷みが目立ちにくい
洗濯機で洗濯をすると、衣類の表に出ている側同士が擦れ合います。そのため衣類の表面が毛羽立ったり、装飾が剥がれやすくなってしまうわけです。もちろん洗濯ネットに入れれば摩擦による摩耗はある程度防げますが、すべての洗濯物を洗濯ネットに入れるのはなかなか大変ですよね。
衣類を裏返しにして洗濯すると、洗濯中にこすれあうのは「裏側同士」ということになります。毛羽立ち等が起きるのは裏側なので、従来の通りに表に返せばダメージはほとんど目立ちません!
衣類の傷みが目立ちにくく、おしゃれ着等の寿命が長く延びます。
毛玉が防げる
洗濯中の摩擦で起きるトラブルの代表的な存在が「毛玉」です。特にニット製品は少し洗っただけでも毛玉ができてしまいやすいですよね。
裏返しで洗濯をすれば、衣類の表面に毛玉が発生する確率を大幅に下げることができます。毛玉取りブラシや毛玉刈り器の使用も減りますから、衣類が長持ちしますね。
色あせが起きにくい
色物の洗濯物、中性洗剤で洗っているのになんだか白っぽく色あせてきた…こんなことってありませんか?
この理由は、多くの場合が「日焼け」による褪色(たいしょく)です。表側のままで洗濯物を干すと紫外線に多く当たるため、濃い色は日焼けを起こして色が薄くなってしまいやすくなります。
裏返し洗濯後、そのまま裏返しで衣類を干せば、このような日焼けによる服のダメージを大幅に減らせることに。一般的なシャツやボトムスであれば、裏返しに干しても形はほとんど変わりません。
服が乾きやすい
「ポケットを出して干してもまだ内側が湿っている」…自然乾燥だとこんなトラブルは多いですよね。
特にポケットが多い服や縫い合わせの多い服だと、裏側の方が生地の厚みがあるため、乾くのが遅いです。
裏側が生乾きの状態で取り込んでしまうと、カビの発生や生乾きによるニオイ等のトラブルが生まれてしまいます。
裏返し洗濯後にそのまま裏の状態で干せば、乾きにくいポケット部や縫い合わせ部に直接風があたるので、短時間でも乾きやすくなります。
裏返して洗うと良い服の種類は?
様々なメリットがある「裏返して洗濯」。特にどのような服を洗う時に裏返して洗濯をすると良いのでしょうか?
靴下
実はとてもたくさんの汗をかいている「足の裏」。靴下はその汗や皮脂を吸い込んでいるので、実は内側が汚れやすい衣類の代表格です。
靴やスリッパを履いた状態が多いという場合、靴下を裏返しにして洗うとキレイに洗うことができますよ。
肌着・インナー
ワイシャツの下に着るTシャツ、トップスの下に着るタンクトップ、「ヒートテック」等の冬のあったかインナー…この手の肌に直接触れるインナー類も、皮脂・汗汚れが内側に付きやすい衣類です。
ワイシャツ
汗・皮脂による黄ばみや黒ずみが目立ちやすいワイシャツも、裏返して洗うと汚れ落ちがスッキリ。部分洗い洗剤等を使う場合も、裏返し洗にした方が効果が倍増します。
濃い色のトップス
次のような濃い色の服は、特に日焼けによる色落ちや摩擦による毛羽立ちが目立ちやすいです。
- 黒(ブラック)
- 紺色(ネイビー)
- 赤(レッド)
中でもTシャツやパーカーのようなカジュアルな素材は色あせによる劣化が目立ちやすいので、裏返して干すようにすると良いですよ。
ジーンズ
生地が分厚くてポケットの多いジーンズは、乾きにくい服の代表格。でも完全に裏返して干すとポケットの周辺が乾きやすくなるので、今までよりもカンタンに乾かすことができます。
セーター類
毛玉ができやすいセーターは、裏返して洗うようにしましょう。なおセーター類は特にデリケートですし型崩れもしやすいので、「裏返し+洗濯ネット」という対策を取った方が良いです。
レースやワッペン付きの衣類
レースやリボンなどの装飾が付いた衣類やワッペン等を付けた服は、裏返しにして洗うと装飾が傷みにくくなり、キレイな状態が長持ちします。
裏返し洗濯が向かない衣類もある?
上記のように色々なメリットがある「裏返し洗濯」ですが、どんな衣類にも万能というわけではありません。次のような衣類は通常どおり、表側でお洗濯をした方が良いです。
食べこぼし・油染みのついた衣類
食べこぼしや作業による油染み等が付いている場合には、その部分のシミ抜きをするだけでなく、表側を外に出した状態で洗濯機に入れた方が汚れがよく落ちます。
泥汚れの付いた衣類
泥の汚れが付いた状態で裏返してしまうと、繊維に泥(砂)が残ってしまいやすいです。「ドロドロ」ではなくても、砂っぽい汚れが付いている場合には衣類を表側にして洗った方が良いでしょう。
花粉や黄砂の付いた衣類
外出時に付着した花粉や黄砂を洗濯で落としたい場合には「裏返し洗濯」は不向きです。
我が家はどう?裏返し洗濯向きのライフスタイル
そのご家庭のライフスタイルによっても、裏返し洗濯があっているかどうかは変わってきます。「裏返し洗濯を取り入れてみようか、どうしようか」と悩んだ時には、次のような点から検討してみると良いですよ。
大人だけのご家庭にピッタリ
小さな赤ちゃんや小学生のお子様が居るおうちだと、食べこぼしや泥汚れ等の「表側の汚れ」が付いた衣類が多く出やすいので、裏返し洗濯は不向き。反対にミドル・シニアの大人だけのご家庭だと、皮脂汚れ・汗汚れをスッキリ落とせる「裏返し洗濯」は加齢臭対策にもなります。
デスクワーク&ビジネスマン向け
泥汚れや油汚れ等が付いた「作業着」を頻繁に洗う場合だと、「裏返し洗濯」はあまり向いていません。砂の汚れが付きやすいアウトドアスポーツ用の服や、アウトドアレジャー等の服も同様です。
「裏返し洗濯」は、デスクワークが主体の人や営業周りで汗をかく等、ビジネスマンの衣類の洗濯向きです。
おわりに
「裏返して洗濯」というと奇抜なように思えますが、実はそこには様々な実益が隠されています。「いちいち衣類を裏返すのが面倒」という場合には、ご家族に協力してもらって脱衣カゴに入れる時に服を裏返してもらうようにすると良いですよ。
「裏返し洗濯」を徹底している人は、服の保管中も裏返しのままにしているのだとか。目からウロコの「裏返し洗濯」、ぜひ挑戦してみてくださいね。