冬のアウターの定番であるダウンジャケット。でもよく着るダウンジャケットほど、シミや汚れが気になりますよね。「自分でダウンジャケットのシミ抜きができたらなあ」「でも、ダウンジャケットの洗濯は自宅ではできないし」と思っていませんか?
素材や条件が合えば、ダウンジャケットは自分でシミ抜きをすることができます。シミや汚れがついたダウンジャケットを自分でスッキリ洗って、気持ちよく着ましょう!
1.ダウンジャケットの素材と条件の確認
ダウンジャケットのシミ抜きでは、シミ抜き後の衣類全体の水洗い、低温タンブラー乾燥、アイロン仕上げが必要になります。
表面のシミ抜きだけを部分的に済ませてしまうと「輪ジミ」になることが多く、おすすめすることができません。自己処理で輪ジミを作ってしまった場合、プロのクリーニング店でもダウンジャケットを元に戻すことができないこともあるからです。
そのためダウンジャケットをシミ抜きする前には、次の点を確認しましょう。
表地は水洗い・乾燥に耐える素材?
まずは表地の確認です。
【NGの素材例】
- ポリウレタン
- シルク
- ウール
- キュプラ
- 皮革
- エナメル
- ビニール樹脂 等
ポリウレタンが含まれている場合は水洗いや乾燥でのダメージが大きいため、自宅での洗濯・シミ抜きはできません。またシルクやウールは縮みやすいため、これらがダウンジャケットに含まれている場合にも自宅でのシミ抜きを避けた方が無難です。
中綿のダウン・フェザーの比率は?
ダウンジャケットの中綿のダウン:フェザーの比率はわかりますか?
- ダウン:羽軸が無い羽毛の部分で、通常時はフワフワと柔らかく、水洗いをしてもあまりヘタれません。少量しか取れないので価格が高いです。
- フェザー:羽軸がある部分で、たくさん入るほどカサカサしたダウンジャケットになります。フェザーは洗濯・乾燥で羽軸が折れやすいので、大量に入っていると洗濯後のダウンジャケットの形が悪くなります。
ダウン90%:フェザー10%程度等、ダウンの比率が高ければ水洗いをしても大丈夫です。反対にフェザーの比率が多いジャケットは、洗濯機での洗濯や乾燥には向いていません。
ドラム式の低温乾燥機が使える?
ダウンジャケットのシミ抜き後のお手入れでは、洗濯機を使った脱水と、低温によるタンブラー乾燥を行います。ドラム式洗濯乾燥機がご自宅に無い・低温設定ができない場合、コインランドリーを使う必要があります。
コインランドリーの設備によっては、60℃~80℃以上の高温設定しかできない場合もあります。事前に設備を確認しておきましょう。
アイロンは持っている?
ダウンジャケットは洗うと表面がシワになります。これを整えるにはスチームアイロン等でのお手入れが必要です。
シミがついたのはいつ?
最近ついたばかりのシミであれば、自宅でのダウンジャケットのシミ抜き方法で対処がしやすいです。反対にいつ付いたかわからないシミの場合だと、自宅で汚れが取り切れない可能性の方が高くなります。
シミの種類はわかる?
ボールペン等のインクのシミ、錆によるシミ、変色ジミ、機械油のシミ等の特殊なシミは家で落とすことができません。シミの原因がよくわからなかったり、一般的なシミではない可能性が高い場合には、プロにシミ抜きをして貰った方が良いです。
2.ダウンジャケットのシミ抜き
すべての条件がOKだった場合には、早速ダウンジャケットのシミ抜き・洗濯を始めましょう。
【用意するもの】
- 中性タイプの液体洗剤(おしゃれ着洗い用)
- 食器用洗剤
- 洗濯用のブラシ
- 洗濯用ネット
- バケツまたは洗面器
- バスタオル
- ガーゼ
- 紐
※今回ご紹介するのは、食べこぼし・飲み物のシミを想定したダウンジャケットのシミ抜きです。シミの原因が異なる場合には、上記の洗剤ではなくベンジンやアルコール等を使ったシミ抜きが必要となる場合があります。当サイトでは原因毎の様々なシミ抜き方法をご紹介していますので、合わせてご参照ください。
【下準備】
ファスナーの金具部分にはガーゼを巻いて、紐で止めておきます。後で脱水や乾燥をする時に金具が生地を傷つけないための準備です。
【ダウンジャケットのシミ抜きの手順】
- 作業はお風呂場またはキッチンの流しで行います。
- 汚れが気になる部分に35℃~40℃前後のお湯をかけます。<
- 食器用洗剤の原液を少量、汚れが気になる部分につけます。(シミがガンコな場合には、洗剤や漂白剤を付けてから30分程度時間を置きます。)
- 洗濯専用のブラシで、表面を優しく洗っていきます。デリケートな素材の場合にはブラシではなく、手でやわらかく揉みます。
- 水ですすいでシミの状態をチェックします。
- シミが取れていたら、次の3.の仕上げ洗いの工程に進みます。
3.手洗いと洗濯機で仕上げ洗い
ダウンジャケットのシミ抜きに成功したら、輪ジミを防ぐためにも全体を仕上げ洗いしましょう。仕上げ洗いでは、洗濯機の脱水機能を使います。
【ダウンジャケットの仕上げ洗いの手順】
- 35℃前後のお湯を浴槽にはるか、キッチンのシンクに溜めます。
- 中性タイプの液体洗剤をお湯に溶かします。
- ダウンジャケットを裏返しにして畳んで、洗濯用ネットに入れます。
- ネットのままでお湯にジャケットを漬けて、優しく押し洗いします。下にまで押さえつけずに、お湯の中で柔らかく押しましょう。
- ネットに入れたままで洗濯機に入れて、一分間脱水させます。
- 浴槽かシンクに再度ぬるま湯をはって、ダウンジャケットを漬け、お湯だけで押し洗いをします。これがすすぎの代わりになります。
- もう一度脱水、ぬるま湯での押し洗を繰り返します。
- 最後に2分くらい軽く脱水をします。
- 洗濯機から出して、バスタオルで挟むようにして水分を取ります。
- ハンガーにかけて陰干しし、半乾きの状態にまで乾かします。
- 次のタンブラー乾燥に進みます。
※丈夫なダウンジャケットならば、ドラム式洗濯機の弱洗いで洗うことも可能です。ただし脱水は2分以上行わないでください。
※自然乾燥のままではダウンの風合いが元に戻りません。必ず次の工程に進みましょう。
4.低温タンブラー乾燥でフワフワに
ダウンジャケット独特のふんわりとした風合いを取り戻すために、低温のタンブラー乾燥機で仕上げをしましょう。
【ダウンジャケットの低温乾燥の方法】
1)タンブラー型乾燥機を50℃以下に設定します。
2)ダウンジャケットを入れます。
3)10分~15分程度乾燥させます。
4)ダウンジャケットの様子を確認し、必要であれば5分追加します。
※高温・中温での乾燥は行わないでください。縮みの原因になります。
※乾燥のしすぎには注意が必要です。乾燥中はその場を離れず、ダウンジャケットの様子をチェックしましょう。
コインランドリーを使用する場合、乾燥機の使用料金は10分あたりの目安が大体100円~150円前後です。ダウンジャケットの状態や設備によっても異なりますがおおむね300円~500円前後で仕上げられる計算です。
5.アイロンで整える
洗ったり乾燥をさせたダウンジャケットは表面に細かなシワができています。ダウンジャケットを新品のようにキレイにするには、最後にアイロンで仕上げをします。
【ダウンジャケットのアイロン仕上げの方法】
- アイロンの温度設定は洗濯表示を見て確認します。
- 水を入れて、必ず「スチーム」の状態にしておきます。
- ダウンジャケットの生地には直接アイロンをあてず、蒸気を近くからあててシワを伸ばしていきます。
- ハンガーにかけて形をよく整え、直射日光があたらない風通しの良い場所で陰干しします。
※スチームによる水分を繊維に残さないように、陰干しは十分に行ってください。
おわりに
ダウンジャケットのシミ抜き・洗濯では、乾燥機等の機械の利用が必要です。またアイロンをキレイにかけるには、やや慣れも必要になります。「自分で上手にできるか不安」「シミの原因がよくわからない」といった場合には、ムリに自己処理をせず、専門業者に依頼をしましょう。